ジャーナル「Substance Use & Misuse」に9月27に掲載された調査結果によると、不安、慢性疼痛、うつ、不眠、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの症状に大麻が「非常に、または極めて有効だった」と回答した人の割合は、調査に参加した2100人以上のうち90%以上にのぼった。また、88.7%は「生活の質にとって重要なものだ」と答えている。
参加者の6割以上は、医療用大麻の使用を始める前は「オキシコドン」や「コデイン」などを含むオピオイド系鎮痛剤を服用していた。このうち79%は、医療用大麻の使用により、それまで服用していた鎮痛剤の量を「減らすことができた、またはやめることができた」と回答した。
また、86%近くが医療用大麻は「痛みの軽減に役立った」、84%が「痛みが通常の社会活動に支障がきたすことが減った」と答えている。
ただ、医療用大麻にも副作用はある。フロリダ州立大学医学部と同州にある研究機関エメラルド・コースト・リサーチの研究者らによると、副作用として挙げる人が最も多い症状は、口の渇き、食欲増進、眠気となっている。
深刻な社会問題
米国とカナダのオピオイド危機の問題に取り組む「スタンフォード・ランセット委員会」が今年2月に発表した報告書によると、米国では2020年、オピオイド鎮痛剤の過剰摂取などにより、前年比37%増となる7万168人が死亡した。
米国では1999年から2020年の間に、処方薬とそれ以外を合わせたオピオイド系の薬剤に関連した死亡が8倍以上に増加。この21年間の死者数は、55万人を超えている。
エメラルド・コースト・リサーチの研究者(神経科学)は、「オピオイド鎮痛剤を必要としている人は多い」ことを認めた上で、「過剰摂取や死亡のリスクが低いなど、より有害な副作用が少ない薬を代わりに使うことができるのであれば、その使用を検討するべきだ」と述べている。