米国の健康・保健の専門家や議員たちは、深刻化するオピオイド危機に対応するための行動を起こしている。ジョー・バイデン米大統領は23日、この問題への対策に15億ドル(約2100億円)を拠出すると発表した。
この資金は、オピオイド拮抗薬の「ナロキソン」などを使った治療を受けやすくしたりするなど、各州や先住民居留地、準州が講じる対策や依存者の回復への支援に充てられる。
オピオイド危機は、米国内では大手製薬会社が行ってきた“誤解を招くような”マーケティングキャンペーンが一因だと指摘されている。また、それらに対する監視が不十分だったことも、影響したとされる。
前出の報告書は、何の対策も講じられなければ、オピオイド鎮痛剤が原因の死者は2029年までに、米国とカナダを合わせて120万人を超える可能性があると警告している。
大麻はより安全か
大麻は米国の37州で医療用として、19州と首都ワシントンで娯楽用としての使用が認められている。合法化されて以降、使用量は増加し続けており、最近の世論調査によれば、国民の大半が全面的な合法化を支持している。
ただ、合法化を求める動きが活発化する一方、使用量が増えれば悪影響も生じる可能性がある。そのことを示す研究結果も発表されている。今年6月にジャーナル「BMJ Open Respiratory Research」に掲載された論文によると、娯楽用に大麻を使用する人は、急性外傷や呼吸器系の問題で入院するリスクが高くなっていたことがわかったという(因果関係については触れられていない)。
研究者らも、大麻の健康効果については今後より多くの研究が必要であることを認めている。だが、大麻に含まれる非精神活性成分の「カンナビジオール(CBD)」に関しては、慢性疼痛の治療に役立つと考える「理由がある」とされている。
(forbes.com 原文)