この秋から冬に感染が再拡大すると考えられる理由、それは、すでに多くの人が感染対策を講じることなく生活しているということだ。この秋冬はパンデミックが発生して以降初めて、ほとんどの人が屋内の公共の場でマスクを着けず、ソーシャルディスタンスの確保を気にせず過ごすことになる。
ジョー・バイデン米大統領は先ごろ、出演したTV番組で「パンデミックは終わった」と述べた。だが、多くの研究者や公衆衛生の専門家たちは、時期尚早の発言だったと非難している。
パンデミックの終息を宣言し、感染対策として講じてきた措置を解除すれば、中間選挙を前に「通常が戻ってきた」ようにみせることができるかもしれない。だが、それはこの秋から冬の感染者を急激に増やし、人々をより大きな危険にさらすことになる。
時間の経過によってこれまでに受けたワクチンの効果が弱まるなか、より多くの人に新たな「二価ワクチン」の接種を受けるよう説得することも、難しくなるだろう。
パンデミックが発生して以来、欧州で患者数・入院者数が増加すると、その数週間後にはほぼ必ず、米国でも同じことが起きている。米国は欧州の状況に注意を払う必要がある。そして、米国にとって大きな問題となるのは、同じように感染者が増え始めたとき、政治家がそれに対していつ、どのような対応を取るのか、あるいは取らないのか、ということだ。
(forbes.com 原文)