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2022.09.25 07:30

バカルディ、トラベルリテール部門トップに、初の女性を指名

Leron Ligred / Shutterstock.com

世界的な蒸留酒製造販売企業であり、ホワイトラムで最もよく知られるバカルディは、幹部社員の異動を発表した。特に注目されるのは、女性として初めてグローバルマネージングディレクターに指名され、同社のトラベルリテール部門を率いることになったレイラ・スタンスフィールド(Leila Stansfield)だ。

スタンスフィールドは現在、英国およびアイルランド地域のオントレード(飲食店)売上ディレクターを務めており、2023年1月に新たな役職に就任する。現在トラベルリテール部門を率いているロンドン在住のヴィナイ・ゴリケリ(Vinay Golikeri)は、10年以上にわたって活躍してきたトラベルリテール部門を離れ、インドおよび周辺諸国担当マネージングディレクターに就く予定だ。

ケンブリッジ大卒のスタンスフィールドは、トラベルリテール部門の豊富な経験をもち、財務責任者やマーケティングディレクターといった上級職を歴任してきた。

バミューダに本社を置くバカルディに彼女が入社したのは12年前であり、CEO直属の部下として、戦略開発部門の上級職を務めてきた。

戦略設計におけるスタンスフィールドの幅広い経験は、トラベルリテール部門で大いに活きることだろう。トラベルリテール部門は、パンデミックによるどん底に直面して整理・縮小を余儀なくされたが、今まさに復活をとげつつある。

例えば、空港小売店などトラベルリテール事業を展開するダフリー(Dufry)は2022年7月、空港や駅などでレストランを経営するオートグリル(Autogrill)と合併することを発表した。また、蒸留酒ブランド各社は、パンデミックから急速に回復しつつある旅行客の関心を引こうと競い合っている。

スタンスフィールドは、来年トラベルリテール部門に復帰したあとの見通しについて、「小売パートナー各社と共に成長できるような戦略」をとると語った。

世界で最も高く評価されるラムのブランドであるバカルディは、プレミアムジンの「ボンベイ・サファイア」でも知られている。ボンベイ・サファイアは、2021年のトラベルリテール売上高で世界一となったジンだ。また、同社のプレミアムウォッカである「グレイ・グース」は2021年、売上68%増を記録した(IWSR調べ)。

2年にわたる苦境を経て、トラベルリテールにおける蒸留酒事業は今年、力強い回復を見せている。バカルディの競合相手であるディアジオやペルノ・リカール、ブラウン=フォーマンも好調だ。

蒸留酒分野で世界最大の非公開企業であるバカルディは、財務実績については明らかにしていないものの、今年に入って空港でのプロモーションに力を入れており、クリスマス前の重要な時期となる今後数カ月にわたって攻勢を維持する構えだ。

バカルディのアジア・中東・アフリカ地域プレジデントとグローバルトラベルリテール担当プレジデントを兼任するヴィジャイ・スブラマニアム(Vijay Subramaniam)は、幹部社員の交代について次のようにコメントした。

「ヴィナイ(・ゴリケリ)は、当社のグローバルトラベルリテール事業の開発に不可欠な役割を果たしてきた。過去2年間は、同部門にとって非常に厳しい時期だったが、ヴィナイはパンデミックが突きつける課題を見事に解決してきた。レイラ(・スタンスフィールド)は、部門の垣根を超え、優れたビジネスの才覚をもたらしてくれる人物だ。グローバルトラベルリテール部門にとって、今は変革の好機であり、彼女は戦略的ブランド構築とビジネスチャンスの獲得に遺憾なく才能を発揮してくれるだろう」

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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