それは日本時間2022年9月27日、年に一度の「衝(しょう)」に到達したときピークを迎える。地球がその軌道上で正確に太陽と木星の中間にくる位置だ。
木星は太陽の周りを回るのに12年かかるので、衝(地球から見た場合)は13カ月に1回起き、数週間続く。
木星は一瞬、輝いて見えるだけでなく、双眼鏡か小さな望遠鏡があればその円形を100%見ることができる。太陽から5番目に位置するこの惑星は、長時間観測するために理想的な位置にくる。
「衝」にあることのもう1つの恩恵は、木星のような外惑星は日の入りに東へ昇り、日の出に西に沈むことだ。つまり、夜を通して「出ている」。
しかし、2022年の木星の衝には非常に特別なことがある。
衝の瞬間、木星の位置は地球から正確に5億9360キロメートルの距離にあり、これは1963年から2139年の間の最接近位置であるため166年に一度の「ベスト」ポジションなのだ。
そのとき、木星はマイナス2.9等級の明るさに輝き、日没後の夜空に見える月以外で最も明るい天体になる。
ジェイムズウエッブ宇宙望遠鏡の驚くほど詳細な木星画像。イオン化された水素の極光反射(赤のチャンネルにマッピングされている)に感じるフィルターによって、オーロラ・オーバルが木星の南北両極に至る高緯度に伸びているところを映し出している(NASA, EUROPEAN SPACE AGENCY, JUPITER EARLY RELEASE SCIENCE TEAM. IMAGE PROCESSING: JUDY SCHMIDT)
木星の衝が気づかないうちに終わってしまうことはないだろう。木星は、多くの人がまだ外にいる夕方の地平線近くに見える。そのため深夜の空高くにあるときよりも、ずっと多くの人の目に留まる。
でも、よく見てほしい。双眼鏡か小さな望遠鏡を木星に向けると、大きなガリレオ衛星のうちエウロパ、ガニメデ、カリスト、イオが3つか4つ見えるはずだ。
木星のすぐ上には、4つの明るい星からなるダイヤモンド型の星座「ペガススの大四辺形」が見える。大きい星座の中にあるアステリズム(星団)だ。そのずっと右を見ると土星がある。その驚くべき環状パターンは、どんな小さな望遠鏡でも見ることができる。
木星は今後少なくとも数週間、明るく美しい姿を見せ続け、その後、徐々に早く昇るようになり夜空高くへ移動していく。巨大な惑星が次に衝にやってくるのは2023年11月3日だ。
澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。
(forbes.com 原文)