しかし、企業はどの分野でも通用する適切なスキルを持つ従業員を採用するだけではない。需要の高い社会的・感情的スキルに関して、企業は従業員のスキルアップにも力を入れている。
マッキンゼーの調査でも報告されているように、2020年には共感や対人関係のスキルに取り組む企業の割合は倍増した。2019年から2020年にかけて、リーダーシップやマネジメントといったスキルはほとんどの企業にとって一層優先度の高い項目となり、これらのスキルを重視する企業の割合は40%から50%へと前年比で10ポイントも増えた。
ソフトスキルとは一般的にリーダーシップ、コミュニケーション、問題解決などのカテゴリーを指す。一方、ハードスキルは数値化したり測定したりすることができる技術的な能力だ。通常、労働者は授業、職場での実務を通した教育訓練、実社会での経験を通じてこの知識を習得することができる。
最近のLinkedInのデータによると「ハードスキルは採用担当者の関心を引くのに役立つが、ソフトスキルは仕事を獲得するのに役立つ」ようだ。実際、過去3カ月以内に投稿されたLinkedIn Premiumの全求人の45%がコミュニケーションスキルの重要性に言及している。また、専門的な職業に就いている人の61%以上が職場におけるソフトスキルはハードスキルと同じくらい重要だと回答している。
明らかに、ソフトスキルはかつてないほど求められている。それはなぜなのだろうか。また、自分のキャリアを将来にわたって確かなものにするためにソフトスキルをどのように活用できるだろうか。
ソフトスキルはキャリアを持続させる
技術的な能力はキャリアを深められるだけだ。本当に飛躍するためには、測定が難しいが成功に不可欠なスキルが必要だ。LinkedInの「2019 Global Talent Trends」レポートでは採用担当者の89%が、採用してもうまくいかない場合、大抵はソフトスキルの不足が原因だと答えている。