NVIDIAは、PCゲーム用グラフィックスカードでは依然としてトッププレイヤーではあるものの、ビデオゲームが同社のチップの主要ターゲット市場であった時代はとうの昔に終わっている。NVIDIAのプラットフォームは医療研究、金融サービス、産業制御、クラウド、そしてもちろん自動車に至るあらゆる場面で活用されている。
またNVIDIAのエンジニアは、シリコンの設計だけにとどまらないことも行っている。同社の社員2万5千人のうち8割をエンジニアが占め、その半数以上がソフトウェアに携わっている。行っているのは、単にデバイスドライバのコーディングにとどまらない。自動車分野では、NVIDIAはDRIVE Hyperion(ドライブハイペリオン) スタックの一部となる完全自動運転システムを開発した。企業や開発者は(メルセデス・ベンツが2024年の新車プログラムに計画しているように)そのスタック全体を利用することも、その一部を取り出して自社のシステムに統合することもできる。また、NVIDIAは、デジタル・インストルメント・クラスター、ドライバー・モニタリング、およびその他のインフォテインメント機能向けの、完全ユーザー・エクスペリエンス・ソフトウェアスタックを備えている。
しかし自動運転にせよ、医療研究にせよ、重要な要素の1つは人工知能だ。データセンター、ロボット、自動車に搭載されたNVIDIAのチップが提供する計算能力は、過去10年間のAIの進歩の多くに重要な役割を担ってきた。NVIDIAを搭載したサーバーで埋め尽くされたデータセンターでは、機械学習モデルを学習させるために何百万枚もの画像を処理している。