サンフランシスコ上級裁判所で起こされた訴訟で、アマゾンは競合サイトでより安い価格で商品を提供した加盟店に厳しいペナルティを科す契約を強制し、カリフォルニア州の不正競争防止法に違反したとされた。
ボンタ司法長官は、これらの契約が、アマゾンを有利な立場に置くことを強制するもので、「他のオンライン小売業者との競争を阻害する」と主張した。アマゾンはオンライン小売分野で支配的ポジションにあるため、加盟店はその要求に背くことができず、結果として消費者はアマゾン以外のサイトでより高い価格に直面しているという。
アマゾンの取引条件に同意しない加盟店は、サイトから商品を削除されたり、アカウントを停止されたりするリスクがあるとされる。司法長官は、裁判所がアマゾンに反競争的な契約を結ぶことを禁止し、損害を受けた企業に「不正な利得」を返還させることを求めている。
アマゾンの売上は、パンデミックを受けて実店舗が閉鎖を余儀なくされた中で急上昇し、時価総額は2020年の最初の数カ月間で、9200億ドルから1兆4900億ドルに膨らんだ。最近のFeedvisorの調査で、買い物客の10人中約9人が、他のどこよりもアマゾンで買い物をする可能性が高いと回答していた。
今回のアマゾンに対する訴訟は、当局が監視を強めるテック大手の反競争的行為の最新の事例と言える。連邦取引委員会(FTC)は、インスタグラムとワッツアップの買収をめぐりフェイスブックの親会社のメタを提訴した。グーグルも州や連邦政府の反トラスト訴訟に直面しており、司法省はアップルのアップストアのポリシーが競争を阻害しているとして訴訟を準備していると報じられている。欧州連合(EU)の裁判所は14日、グーグルが反トラスト法に違反したとして、同社に41億3000万ドル(約5900億円)の制裁金を科す欧州委員会の判決を支持した。
反競争的行為を取り締まる当局の試みは、さまざまな結果を生んできた。3月に連邦判事は、アマゾンの価格設定システムが他のオンライン小売業者に損害を与えたとするワシントンDCでの訴訟を、十分な詳細がないと判断して却下した。一方、別の連邦判事は、ワシントンDCでの同様の訴訟が集団訴訟として前進する可能性があると判断した。
(forbes.com 原文)