グラムの法案は、民主党議員と妊娠中絶賛成派から強く反対されており、バイデン政権も同様だ。「この法案は米国人が信じていることを大きく踏み外しています」とホワイトハウス報道官のカリーヌ・ジャン=ピエールが13日に声明で語り「共和党は何百万人もの女性から権利を奪うことに力を注いでいます」と主張した。
現行法の下で、グラムの法案が通過するためには上院で60票獲得する必要があり、これは11月の中間選挙で共和党が議会の過半数を占めたとしても起こりそうにない。果たしてグラムの共和党同僚議員たちの間に、通過する可能性の低い同法案を取り上げる欲求があるのかどうかも、まだわかっていない。
上院少数党院内総務のミッチ・マコーネル(共和党・ケンタッキー州)は、たとえ共和党が支配を取り返したとしても法案が議会を通過するとは考えられないと語ったが、同法案を議会投票に持ち込めるかどうかについてはコメントしなかった。またCNNの報道によると、共和党上院議員のジョン・コーニン(テキサス州)とロン・ジョンソン(ウィスコンシン州)は9日、中絶は州に任せるべきだと信じていると語った。
かつてグラムは、20週以降の中絶禁止を上院に提案したが、反中絶派のロビー活動に応えて15週に短縮したと9日に同氏は語った。国による中絶禁止が議会を通過するかどうかは、5月にワシントン・ポストが「ロー対ウェイド事件判決」が覆されれば、共和党は妊娠6週以降の中絶手術を禁止する法案の提出を検討していると報じて以来、懸念の種になっていた。実際にその判決が下り、有権者の間に中絶を合法とする圧倒的支持が広がると計画は沈静化した。
ワシントン・ポストは6週法案が時期を含めて提出されるのかどうかも不透明になったと報じた。中絶権反対派は15週禁止法案を、中絶を制限するための政治的対立を生みにくい方法だと見ている。フロリダ州とアリゾナ州は最近、15週禁止法を施行し、バージニア州知事のグレン・ヤンキン(共和党)は、同州でも同じことを行うつもりであると語った。ウォール・ストリート・ジャーナルとPublic Religion Research Institute(公共宗教研究所)が行った最近の世論調査によると、15週以降の中絶禁止は、より厳格な制限よりも米国人にとって受け入れやすいことを示しているが、ギリギリの過半数は今も一連の規制に反対している。
(forbes.com 原文)