ビジネス

2022.09.26

キャシー松井が考える「ダイバーシティが企業の成長に必要な理由」

photograph by Mizuaki Wakahara


MPower Partnersを立ち上げてから、私たちを驚かせたことが2つある。

1つは、スタートアップのESGに対する意識の高さ。国内スタートアップ50社に回答頂いたボストン・コンサルテイング・グループとの共同サーベイによると、ESGに関連する取り組みを実践している企業の93%が効果を実感している。

もう1つは、創業者や投資家を含めた日本のベンチャーエコシステムにおける同質性の高さだ。こうした業界に風穴を開けるべく、MPower Partnersではダイバーシティ・イベント・ポリシーを含めた独自のDEI(多様性、包括性、公平性)ポリシーを公開している。

男女共同参画の推進は「やるべきこと」というだけでなく「戦略的な行動」だ。イノベーションや成長を加速させ、日本のベンチャー・エコシステム、そして経済全体が明るい未来を確実に手にするにはダイバーシティの推進が欠かせない。そしてその効果は実証済みなのだ。


キャシー松井◎MPower Partnersゼネラル・パートナー。ゴールドマン・サックス証券で元日本副会長、チーフ日本株ストラテジストを務める。1999年に「ウーマノミクス」の概念を提唱。ウーマノミクスはその後広く世界に浸透し、日本政府も2015年に女性活躍推進を経済成長戦略として打ち上げるに至る。ESG投資に主眼を置いたMPower Partnersを2021年に設立。ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学院卒。

文=キャシー松井(JVCA理事)

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