降水確率はずっと誤解されている、天気アプリにまつわる4つの間違い

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ジョージア大学対オレゴン大学のフットボールの試合を観戦していると、左隣に座っていた人物が世間話を始めた。私がジョージア大学の大気科学プログラムの責任者であることを知った彼女は「今日の予報がひどく外れた理由をご存知ですよね、私のアプリは……」といった。それは率直な質問だったが、私(や多くの同僚)にとってごく聞き慣れたものでもあった。そのとき、競技場には雨が降っていなかったので彼女は予報が外れたと感じていた。天気アプリの情報を受け止めるときによくある4つの間違いを以下に紹介したい。

第1の間違いは長年にわたる「雨の降る確率」に関する誤解米国気象局(NWS)アトランタ支局は「40%の確率で雨が降る」ことについて、次のように説明している。「『降水確率(日本の降水確率とは定義が異なる)とは、対象の予報グリッドに0.01インチ(0.25mm)以上の雨が降る確率を単に表しています。たとえばこの例で対象の予報地点に少なくとも0.01インチの雨が降る確率は40%です!」。

NWSのウェブサイトは、さらに詳しく説明を続ける。「1. 気象予報士が80%雨が降ると確信し、降る範囲は予報区域の50%だと予想したとき、任意の地点で「雨が降る確率は40%」となります。2. 気象予報士が予報区域を100%カバーする広範囲な降水領域が接近すると予想するが、予報区域に到達する確信は40%だったとき、この場合も予報区域の任意の地点で「雨が降る確率は40%」になります」。降水確率は、対象の区域で降水が起きる(そこで発生するあるいはそこへ移動する)という気象予報士の確信度(C)に、予想されるカバー率(A)をかけ合わせることで計算される。

多くの人が天気アプリで起こしやすい第2の間違いは継続時間に関連する。気象学の同僚、ビル・クロッソンが私のSNSで指摘したところによると「80%の確率で雨が降る」は多くの人の心の中で「1日中雨が降る」に変換されるようだ。
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翻訳=高橋信夫

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