9月8日の同社の声明によると、最新の資金調達ラウンドは、シンガポールの国有投資会社テマセク、米国のGGVキャピタル、中国のプライベートエクイティ会社Boyuキャピタルが主導した。その他の出資者には既存の投資家であるMirae Asset ManagementとTrue Global Venturesが含まれる。アニモカ社の評価額は、前回のラウンドと同じ約59億ドルに据え置かれた。
「世界で最も尊敬される機関投資家数社からの調達を完了できたことを非常に嬉しく思う。投資家は、当社がWeb3業界のネットワークを構築する上で、戦略的な助言を与えてくれるはずだ」と、アニモカ社の共同創業者で会長のヤット・シウは述べた。
テマセクとGGV、Boyuは、アニモカ社がIPOの準備を整える上で、組織やプロセス、ガバナンスに関するアドバイスを与える。しかし、同社はまだ上場のスケジュールやどこで上場するかを決定していないという。アニモカ社は2020年3月に、オーストラリア証券取引所の上場規則に違反したとして、同取引所から上場廃止となっていた。
新たな調達資金は、戦略的買収や投資、プロダクト開発、知的財産(IP)のライセンス確保、オープンメタバースへの進出などに充当される。
アニモカ社は2014年の設立当初は、主にスマートフォンやタブレット向けのゲーム開発に注力していたが、2017年頃から、プレイヤーがNFTを所有・取引できるブロックチェーンゲームに進出した。今年4月の時点で、同社の投資ポートフォリオには340以上の暗号通貨関連の企業やプロジェクトが含まれている。
アニモカ社は、オープンメタバースの取り組みに参加しようとする多くの大物投資家を引きつけており、7月中旬には7500万ドルの資金調達を実施し、暗号通貨市場の低迷が続く中で59億ドルと評価された。同社の長い投資家リストには、ジョージ・ソロスやウィンクルボス兄弟の投資会社に加え、セコイア・チャイナなどが含まれている。
「当社のような企業は、我々が構築しているエコシステムの中で、まだまだマイノリティだ」と、シウは7日に香港で開催されたGAME ON! カンファレンスのバーチャルパネルで語った。
彼は、フェイスブックなどの巨大テック企業がWeb3に参入している状況を旧約聖書の戦いの物語になぞらえ、「彼らはゴリアテ(巨人)で私たちはダビデ(若くて非力な羊飼い)だ」と述べた。「今後も投資を続け、企業を買収し、それらをWeb3に移行させていく」とシウは語った。
(forbes.com 原文)