1.5倍しょっぱく感じるスプーンとお椀をキリンが開発、減塩を助ける狙い

プレスリリースより

このスプーンやお椀を使うと、通常よりも塩味が強く感じられる。そんな不思議な食器がキリンと明治大学の共同研究により開発された。

人体に影響しない微弱な電流を使い、擬似的に味の感じ方を変化させる「電気味覚」を発生させるというもの。今回発表された「エレキソルト -スプーン-」と「エレキソルト –椀-」を使うことで、減塩30%の食品の塩味を約1.5倍に増強させたという。

スプーンとお椀には、それぞれ4段階のスイッチがあり、利用者にあった塩加減を選べるようになっている。ラーメンやスープ、カレーなどでの利用を想定している。

日本人は食塩摂取量が世界的に高いこともあり、健康志向の高まりを受けて減塩をうたう食品は多い。さまざまな料理で減塩が求められているが、ラーメンや焼肉のように「濃い味」の方が好まれるものも多い。「おいしく食べたいけど、健康に気を付けて減塩もしたい」というニーズは以前からあった。

そこでキリンが目を付けたのが、250年以上前から知られていた「電気的に味覚を変化させる」方法だ。電池をなめるとビリリと感じるアレだ。2010年に食品の味を変化させる基礎研究が発表され、2019年にキリンと明治大学宮下芳明研究室が共同で具体的な応用研究がはじまったという。

今後は、減塩専門店「無塩ドットコム」やレシピに強いメディア「オレンジページ」と共同でエレキソルトの実証実験を行ない、2023年の日本国内発売を目指す。

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