レポート「The Contingent Labor Imperative: How Agile Enterprises Succeed in a Modern Workforce Model」によると、平均的な企業では「臨時労働者」が労働力の28%を占めている。臨時労働者とは派遣社員、社内派遣社員、フリーランサー、独立請負人「作業指示書」コンサルタントなどの非正規労働者を指す。
MBO Partnersの最高経営責任者(CEO)のマイルズ・エバーソンは「こうした傾向がすぐになくなるとは思えない」と話す。「米国には人材不足という問題がある。人材が不足し、パワーバランスは雇用主から労働者へと変化している。そのため、被雇用者は複数の企業で働くことができるようになった。高いスキルを持つ人材に対する大きな需要があり、そうした人材は独立を選択している。これは新型コロナウイルス感染症のパンデミックのせいだけではない。パンデミックはそれを加速させたかもしれないが、根本的な原因ではない」と語った。
調査対象となった企業の82%が、臨時労働力の半分以上が高スキルの臨時労働者だと回答している。臨時労働者を活用する主な理由として、一時的な仕事の対応、生産性の向上、より迅速なタスク遂行、専門スキルや採用困難な人材へのアクセスが挙げられている。
また、雇用を維持したいフリーエージェントにとっても今後の状況は一層好ましいものになりそうだ。67%の企業が今後18カ月の間に臨時労働者の利用が大幅に(33%)またはある程度(44%)増加すると予測している。臨時労働者の利用が減少すると予想している企業はわずか6%だ。
結果として、企業の労働力における臨時労働者の割合は現在の28%から、18カ月後には33%に、5年後には36%に上昇するとMBO Partnersは予測している。
企業の中には大幅に臨時労働者の割合を増やすところもありそうだ。50%以上の労働者が臨時労働者である企業では、91%が今後5年間に臨時労働者の活用を増やす予定だ。また、臨時労働者の割合が25%以下の企業では、69%が今後5年間に臨時労働者の割合を増やすという。
臨時労働員の取り込みを強化している企業の多くは、臨時労働員を管理するための正式なシステムおよびプロセスを導入している。しかし大半は「ダイレクトソーシング」、つまりフリーランサーに直接コンタクトを取っている。また、社内の独立系人材マーケットプレイスを利用する企業も増えている。
フリーランサーにとって、これは従来の仕事よりも魅力的なキャリアの選択肢を意味する。「会社勤めをしていると上司の顔色をうかがうことになる。上司があなたの運命を決める。独立していて、これだけ人材需要があれば、誰のために働くかをあなた自身が選ぶことができる」とエバーソンは指摘する。
(forbes.com 原文)