調査では、今年、泊まりがけの旅行をした成人の79%が、旅行関連の問題を少なくとも一つ経験したと回答。だが一方で、52%は、今年の旅行では通常よりも多くの額を使ってもよいと答えた。
問題を経験する人の割合が最も多かった年齢層はジェネレーションZ(18~25歳)で、10人中9人近くが旅行をめぐる問題があったと回答。物価の高騰が問題だった人は51%、長い待ち時間に耐えなければいけなかった人は40%、悪い顧客サービスを受けた人は23%だった。
ミレニアル世代(26~41歳)では10人中約8人、ジェネレーションX(42~57歳)では77%、ベビーブーム世代(58~76歳)では75%が、旅に関する問題を少なくとも一つ経験していた。
調査は6月15~17日にインターネット上で3378人の成人を対象に行われ、うち2046人が今年旅行をしたか、旅行を計画していた。
バンクレートの上級産業アナリスト、テッド・ロスマンは、問題を経験した人の割合がジェネレーションZとミレニアル世代で多い理由は、年配の世代と比べて旅をする人が多いことにあるとみている。
「さいころを振る回数が多ければ多いほど、いずれ悪いことが起きる確率は上がる。それが今年は特に当てはまる。(航空情報サイトの)フライトアウェアによると、6月の航空便の約4分の1が遅延し、約3%が欠航した。飛行機に乗る回数が多いほど、こうした問題に遭遇しやすくなる」
旅行に際して物価高騰など非常に多くの問題があるのに、旅行者が今年、通常よりも多くの額を旅に費やす意向があるのはなぜだろう?
ロスマンは、新型コロナウイルスの流行により生じた繰り延べ需要がその理由と考えている。「多くの人は、『インフレなんて知るか。家の外に出なければ』と言っている。自宅に閉じ込められる日々が過去2年にわたり続き、そろそろ家族や友人と再会して世界を見たいと思っているのだ。過去2年で貯金が増えた人が多いことも要因になっている」
調査では、若い世代が通常よりも多い支出に最も積極的だったことも示された。ロスマンは「若者は旅好きが多い」と指摘。「若い世代は、人生は一度きりという精神を持っている。とても社交的で、結婚式や独身最後のパーティーなどのため、友人とグループ旅行の計画を立てたりしている。また、小さな子どもがいて旅行に出かけられない人も少ない。この年代は旅への欲求が高まる時期で、その願望が物価高騰に勝っている」と述べた。
(forbes.com 原文)