そんなフロム・ソフトウェアが、さらなる外部勢力からの関心を集めている。9月1日、Sony(ソニー)が14.1%、Tencent(テンセント)が16.3%を保有し、フロム・ソフトウェアの第2位株主となることが発表された。過半数はまだ日本のKADOKAWAが持っており、『エルデンリング』のIPはまだBandai Namco(バンダイナムコ)とフロム・ソフトウェアが所有している。
フロム・ソフトウェアは、この新しい資本をもとに、さらなるIPの開発、パブリッシング能力を拡大するということだ。現在の市場を考えると、いつか本当にこの2社のどちらかが買収する可能性もないわけではないが、現在は、この2社で30%の株式を保有することになっただけだ。その他、ソニーは最近Bungie(バンジー)を買収し、テンセントはゲーム業界のほぼ全てのパイに手をつけている。
以下は、フロム・ソフトウェアが今回の動きに踏み切った理由と、今後の計画に関する公式声明だ。
「本資金調達の実施により、フロム・ソフトウェアは、より強力なゲームIPの開発に積極的に投資して開発力を強化するとともに、成長著しいグローバル市場において自社のパブリッシングの幅を拡大できる体制を構築することを目指します。これらの目的に加え、フロム・ソフトウェアが創出・開発するゲームIPのグローバル市場におけるユーザー数の増加を図るため、中国を含むグローバル市場におけるモバイルゲーム、そしてネットワーク技術の開発・展開力に強みを持つテンセント GroupのSixjoy(シックスジョイ)と、グローバル市場におけるゲーム・映像等の各種メディアにおけるIP展開力に強みを持つソニー GroupのSIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)に対して、同時かつ個別に、本第三者割当を行うこととしました」
これは、もしかしたらフロム・ソフトウェアがソニーを通じてマルチメディアゲームに参入しようとしていることを示唆しているのだろうか? ゲームIPは、以前にも増してTVシリーズや映画の人気の資産となっており、『ダークソウル』『ブラッドボーン』『SEKIRO(セキロ)』『エルデンリング』をゲーム外でも展開したいと考える人が現れるのは容易に想像がつく。
ゲームそのものについては、その大ヒットとDLCがどれだけ売れるかを考えると必然に思える『エルダーリング』のDLCの可能性についての情報を待っているところだ。また、前作の大ヒットを受けて、『エルデンリング2』がいつか発売されると誰もが期待しているが、それは明らかにまだ何年も先のことになりそうだ。今のところ、フロム・ソフトウェアは最近の成功を整理し、次にどこへ行くべきか、そして誰が一番助けになるのかを考えようとしているようだ。
(forbes.com 原文)