ビジネス

2022.09.03 18:00

COTEN深井龍之介が読み解く、日本のビリオネアランキング


孫 正義→アレクサンドロス大王



アレクサンドロス大王は教育熱心な父のもとで育ち、若い頃から注目を集める人物でした。戦いに秀で、また、勤勉であったため戦術や戦略にも長けていた。戦闘は現代で言うビジネス。そんな最強プレーヤーぶりは孫さんに似ていると感じます。自分のフィールドでは絶対の自信を持っていて、飽くなき上昇欲求を力に、誰もなし得なかったことを実際に実現してみせるところも、両者に共通するところでしょう。(深井)

永守重信→越王勾践



越王勾践は、自分に何かを課すことが得意な人です。ストイックで目的志向型の人。そこが似ているかな。ただ、永守さんはすごく近代の成功者っぽい印象です。近代性とは、自分のほぼすべての行動を理屈で説明できるということ。すべてが理屈で裏付けられている。未来は予測可能だし、2、3年後の売り上げも予測できるという考え方。「人生が事業計画だ」という彼の発想はすごく近代的です。近代以前はそうじゃなかったので。(深井)

偉人をイメージさせる人物がそろう
2022年ビリオネアランキングの日本人たち






深井龍之介◎COTEN代表取締役CEO。2009年九州大学文学部社会学研究室を卒業後、東芝に入社。複数のベンチャー企業の取締役・社外取締役などを経て16年にCOTENを設立。3500年分の世界史情報を体系的に整理し社会や人間の傾向・行動パターンを誰もが抽出可能な「世界史データベース」を開発中。ダイヤモンド社から『歴史思考』を22年3月に上梓した。

文=中沢弘子 写真=竹井俊晴 イラスト=フィリップ・ペライク

この記事は 「Forbes JAPAN No.095 2022年月7号(2022/5/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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