EAは、ゲーム業界だけでなくあらゆるところで最も嫌われているブランドで、数年前からの「世界最低の会社」というあだ名を払拭しようとしている。あえていえば、EAが好きだとはっきりいう人はほとんどいないと思うが、ここ数年、EA以外にも嫌われているゲームパブリッシャーはたくさんあり、中でもActivision Blizzardは失敗や不祥事の多さで抜きん出ている。
EAは現在でもスポーツゲーム市場をほぼ独占しており、最新作『Madden NFL』のレビューを見ると、そのことにやや満足してしまっているようだ。『FIFA Ultimate Team』は数十億ドル(数千億円)を稼ぎ出しており、その他にも、EAには成功したIPがたくさんある。『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』は世界最大のシューティングゲームの1つだ。BioWare(バイオウェア)は『Dragon Age(ドラゴンエイジ)』と『Mass Effect』の新作を制作中だ。Respawn(リスポーン)は、最近の記憶で誰もが気に入っている唯一のスター・ウォーズゲームの続編を制作している。このように最近では、Activision(アクティビジョン)やUbisoft(ユービーアイソフト)よりも多くのことを行っているように感じられる。
それでも、アマゾン以外のEAの買い手候補を考えるのは難しい。メタ、アップル、ディズニーのいずれも、ゲームとは縁が薄い感じがある。マイクロソフトはアクティビジョン・ブリザードの買収で忙しいし、ソニーは規模が小さい。
アマゾンとEAが同じ文章で語られ続けるのには理由がある。もし私が無限に近い資金とゲームへの興味を持つ企業だったとしたら、その買収候補にはより見劣りする大手パブリッシャーが存在し、現在の市場では例えばUbisoft、スクウェア・エニックス、カプコン、セガ、CD ProjektよりもEAを選ぶ可能性のほうが高いだろう。この噂が事実でないとしても、少なくとも私はこれを概念的に否定することはできない。
(forbes.com 原文)