また、リモートワークを経験したからこそ、オフィスで顔を合わせて直接コミュニケーションを図ることの重要性に改めて気づいた人も多くいるだろう。
働き方と共にオフィスの在り方も多様化してきたこの時期、オフィスの移転や縮小に伴う家具の廃棄がこれまで以上に懸念される。オフィス家具のうち、主に金属加工が施された家具やガラス・プラスチックの割合が高い家具は産業廃棄物に分類される。使用済みとなったオフィス家具の廃棄処理は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で定められており、家具の利用者が自らの責任で適正に処理することが義務付けられている。
このオフィス家具の廃棄問題に立ち向かう事業として関連業界やメディアからの注目を集めているのが、2021年末から三菱地所の新規事業として本格稼働が始まった、使用済みオフィス家具のリユース販売・リース事業「エコファニ」だ。
大手のデベロッパーとして多くのオフィステナントと関係性を持つ強みを活かし、東京の大丸有(大手町・丸の内・有楽町)地区を中心にできる限り狭いエリアで家具の循環を実現させるエコファニの事業モデルは、サーキュラーエコノミー型のビジネスモデルとしても大きな可能性を秘めている。
中古オフィス家具の流通・販売自体は決して新しい事業ではないものの、その中でもエコファニはなぜここまでの注目を集めており、どのような特徴があるのだろうか? 今回 Circular Economy Hub 編集部では、エコファニの事業責任者を務める、三菱地所 新事業創造部 副主事 本田宗洋氏に、事業立ち上げの背景から開始後の状況、今後の展望などについてお話を伺った。
三菱地所 新事業創造部 兼 フレキシブル・ワークスペース事業部 本田宗洋氏