現金決済は重量やサイズがかさんだり、痛みによる回収や入れ替えが必要になるなど、非効率な面が多く、社会全体として多くのコストがかかります。キャッシュレス決済の利便性に多くの人が気づき、また政府がキャッシュレス決済を推進する施策を打ち出していくことで、世界では徐々にキャッシュレス化が進み、現金の発行も減少していくのではないでしょうか。
ちなみに世界で最もキャッシュレス化が進んでいる国といわれるスウェーデンでは、ほぼすべての買い物がキャッシュレス決済です。現金はもちろん、財布すら持たなくなっている人もいるそうです。
一方、日本は世界でも屈指の現金大国といわれ、現金の発行残高も多く、まだまだ店舗決済でも現金が広く使われています。この理由としては、現金を落としても返ってくるといわれる「治安の良さ」、偽札や汚れた紙幣が極めて少ないことによる「現金への信頼度の高さ」、ATMが各地にあることによる「現金入手の容易さ」などが考えられます。
現状、日本では高齢であればあるほど現金を信仰し、キャッシュレス決済への抵抗感がある人が多い傾向にありますが、今後「デジタルネイティブ」といわれる若い世代が増えていくにしたがって社会全体のデジタル化が急速に進んでいくと考えられています。
2016年EUは500ユーロ紙幣の製造を中止しました。高額紙幣は犯罪に使われることが多く、キャッシュレス時代には必要性が低下していくものと予想されたためです。日本の一万円札も2024年に発行されるものを最後に消えていくかもしれないとも言われています。
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