経済・社会

2022.08.21 06:00

憎しみ合う民主党と共和党、米2大政党の「分断」が加速

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ピュー・リサーチ・センターが8月9日に発表した世論調によると、共和党を否定的に考える民主党支持者の割合と、民主党を否定的に考える共和党支持者の割合は、いずれも大幅に上昇しており、米国の政治的分断がさらに進んでいることが示された。

ドナルド・トランプがヒラリー・クリントンを破った2016年以降、両党の支持者は、対立する政党の支持者を否定的に見る傾向が強まっている

民主党支持者の約83%が、共和党支持者は他のアメリカ人に比べて「やや閉鎖的、あるいはかなり閉鎖的」と答え、その割合は2016年から13ポイント上昇していた。さらに、共和党支持者が「不誠実」と考える人が64%、「不道徳」が63%、「怠惰」が26%、「知的ではない」が52%で、いずれも8ポイント以上の上昇だった。

同様に、共和党支持者の約69%が民主党支持者は「心が狭い」と答え、その割合は2016年から17ポイント増だった。さらに、民主党支持者が「不誠実」と答えた人が72%、「不道徳」が72%、「怠惰」が62%、「知的ではない」が51%で、いずれも16ポイント以上の上昇だった。

一方で、「どちらの政党も好ましくない」と回答した人の割合は過去最高の27%に達しており、「政党を増やすべき」と答えた人が39%だった。

今回の世論調査は、6月27日から7月4日にかけて、成人6174人を対象に実施された。

「第3政党」が存在しない現実


米国の政治は2大政党に支配されており、民主党と共和党のどちらかを選ばざるをえない状況が長く続いている。ロス・ペローの改革党やラフル・ネーダーの緑の党などの第3政党が注目を浴びた時期もあったが、議会で議席を確保することは無かった。

そんな中、2016年の民主党の大統領候補のアンドリュー・ヤンと共和党のニュージャージー州元知事のクリスティーン・トッド・ウィットマンらは先月、中道派の「フォワード(Forward)党」という第3政党を立ち上げた。

今回のピューの世論調査は、米国人の大半が、党の指名獲得候補であるトランプとバイデンのどちらにも2024年の大統領選に出馬してほしくないと考えていることを示したいくつかの世論調査に続くものだ。

編集=上田裕資

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