アカツキの投資部門であるHeart Driven Fund(現・Akatsuki Ventures)は、19年9月にLIFE CREATEが行った総額約6.3億円の資金調達でリード投資を実施。同ファンド責任者の石倉壱彦はなぜ投資したのか。
石倉:実は、投資するよりも先に僕はLIFE CREATEの社外取締役になっているんです。18年6月に前職(3ミニッツ取締役CFO)を退任して、次に何をやろうかと考えていたときに、共通の知人から紹介してもらったことがきっかけ。お会いした瞬間に、前川さんの人間力みたいなものを感じて、この経営者は面白そうだと思いました。振り返れば、塩田(元規、アカツキ共同創業者)と初めて会ったときも同じ感覚でしたね。僕はそうした直感を大事にしているんです。
前川:設立10年までは銀行からの借り入れで成長してきたのですが、会社の未来を考えて上場を目指そうと決めて、ファイナンスに知見があるプロフェッショナルの方を探していたんです。石倉さんは公認会計士と聞いていたので、硬い雰囲気の人と勝手に想像していたのですが、実際に会うとそんなことは全然なくて。ただ、Heart Driven Fundの責任者になるお話もあると聞き、社外取締役としてお願いしたんです。
石倉:その後、僕はHeart Driven Fundへの参画も決まり、実際に投資検討したのは、前川さんが26店舗を新たに出店する意思決定をしてから。店舗数を倍増させる大きな計画で、調達はデットとエクイティのバランスをとる必要がありました。最初は、第三者の株主を探そうとしたのですが、フィットネスは日本のVCがあまり慣れていない領域で、興味をもってもらうことがなかなか難しくて。
そんななか、投資検討と違う文脈で、アカツキの塩田に前川さんを紹介したんです。そしたら二人はすぐに意気投合して。それである日、塩田が僕に電話をかけてきて、「LIFE CREATEみたいな会社こそ投資するべきだよね」と。アカツキの投資コンセプトは、人と組織を大切にするビジョナリーな会社を増やして、世の中を本質的にカラフルにすること。LIFE CREATEは理念に基づいていい組織をつくっていました。それが事業にダイレクトな成果として現れていて、お客さんの入会率が高く、退会率は低かった。