キャリア・教育

2022.08.17 14:30

「感情をわかち合う組織」が日本の女性を輝かせる 


前川:独自の人材育成システムを構築して、時間をかけて組織とカルチャーをつくってきました。例えば、研修では、社員がただスキルを学ぶとか、仕事に必要なことだけを学ぶのではなく、自分自身のあり方や人生のあり方を各自で考えて答えを見つけ出し、それを互いに共有するようなプログラムも行っています。

石倉:自分の考えていることや感情を他人とわかち合うことは、普通の会社だとなかなか難しい。でも、それはすごく大事なことで、例えば、会議で議題を投げるときに、「こうすべきだと思うけれど、実は悩んでもいて、意見をください」と気持ちを伝えたうえで話をすると、みんなも同じ認識をもってくれるからすごく議論が活発になる。LIFE CREATEは心理的安全性がすごく高い組織だから、社員みんながパフォーマンスを発揮できる。

前川:この2年間は、コロナ禍の影響で事業規模としての成長は止まりましたが、一方で組織を強くするいい期間になりました。みんなが自発的に考えて、一気に出店した店舗のオペレーションを整えたり、経費の使い方を工夫して1店舗あたりのコストを下げたり、物販やオンラインのフィットネスといった新しい挑戦もできました。おかげでいまは、単月で利益が出ています。

世界中で健康意識が高まっていて、この先もフィットネスやウェルネスの市場はどんどん拡大していきます。一方で、世界のなかでも日本は女性活躍やダイバーシティが遅れているのが実態。東京はある程度、前に進んでいるけれど、実際に全国の店舗でリアルな声を聞くと、全体ではまったく進んでいません。日本全体で女性が輝くための下地をつくっていきたい。

石倉:同感です。これからも手足を動かして、その実現を最大限にサポートしていきます。


いしくら・かずひろ◎Akatsuki Ventures代表取締役社長。公認会計士・税理士。KPMGあずさ監査法人、3ミニッツなどを経て2018年、アカツキの執行役員およびHeart Driven Fundのパートナーに就任。22年4月より現職。

まえかわ・あやか◎LIFE CREATE代表取締役。仲間とともに2006年、北海道発のホットヨガスタジオをオープン。08年にLIFE CREATEを設立。社員に占める女性の割合は99%で、「Forbes Japan WOMANAWARD」を3年連続で受賞。

文=眞鍋 武 写真=平岩 亨

この記事は 「Forbes JAPAN No.095 2022年月7号(2022/5/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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