テクノロジー

2022.08.12 08:30

クリーンで静かな「マイクロモビリティ」の普及に必要なこと


先述の調査では、回答者のおよそ3分の1がすでに週に数回、自転車と公共交通機関を併用していることが明らかになりました。この点については中国が最も顕著で、73%が自転車と公共交通機関を組み合わせて利用していると回答しました。この割合が次に高かったのはフランスで、42%という結果が出ています。

マイクロモビリティと公共交通機関を組み合わせた利便性の高いシステムについて利用者に受け入れられると考えられる料金を調査した結果からは、マイクロモビリティへの需要があることがうかがえます。ただし、いくつかの条件は満たされなければなりません。専用レーンや車両の保管施設などのインフラを整備、サービス提供エリアを拡大すれば、マイクロモビリティの利用率は向上していくでしょう。

サービスが魅力的であればあるほど、利用者は増えていくものです。そして経済が良好になればなるほど、行政もサービス提供者もサービス環境の改善を継続的に行いやすくなります。

天候の悪さはどうにもできませんが、マイクロモビリティをスマートに利用できる環境づくりのための手段はたくさんあります。何よりもまず必要なのは、マイクロモビリティを公共交通システムに組み入れること。それがマイクロモビリティを効果的に活用できるようにするための最善策です。そしてマイクロモビリティを効果的に活用できるようになれば、利用者だけでなくすべての住民がよりクリーンで静かで住みやすい街という恩恵を得られるのです。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Nikolaus Lang Andreas Herrmann

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