7月末、6月中旬にそれぞれ感染したジョー・バイデン米大統領とホワイトハウスのアンソニー・ファウチ首席医療顧問は、どちらもその“リバウンド”を経験している。
バイデン大統領は感染後、7月27日に執務を再開したものの、30日に再び陽性が確認され、ホワイトハウスで隔離している。大統領は「気分はいい」と明らかにしており、症状は軽いとみられる。
また、大統領はこうしたリバウンドについて、「わずかな割合の人たちに起こるもの」と述べている。主治医であるケビン・オコナー医師も、30日に発表した声明で同じような言葉を使っている。だが、本当にそうなのだろうか──?
スクリプス・トランスレーショナル研究所の創設者で所長のエリック・トポル医師はツイッターの投稿の中で、オコナー医師の「少ない」という言葉を疑問視している。
実際に、「パキロビッド、リバウンド」、「Covid、リバウンド」などのワードで検索してみると、多くの人がリバウンドし、その経験についてSNSに投稿していることが分かる。
ファイザーが行ったパキロビッドの臨床試験で、リバウンドの例が比較的“少数”であったのは確かだ。米食品医薬品局(FDA)はその結果に基づき、パキロビッドの緊急使用を許可した。
一方、米ベイラー医科大学熱帯医学部部長のピーター・ホーテズ博士は、臨床試験ではリバウンドはごくまれで、「わずか1~2%だった」としながらも、その臨床試験が「オミクロン株が出現する前に」行われていたことをツイッターで指摘している。
さらに、2021年から起きている変化は、オミクロン株とその亜型(系統)の感染が広がったことだけではない。昨年は現在と比べ、より多くのたちがソーシャルディスタンスを取り、マスクを着用し、さまざまな感染対策を継続していた。