経済・社会

2022.08.01 18:00

米大統領も「リバウンド」のコロナ治療薬、有効性が低下か?


用量が不足?


リバウンドが起きるのは、パキロビッドが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の増殖を十分に抑制できておらず、その投与によって治療を受けた人の免疫システムが、ウイルスを体内からうまく排除できていなかったことが原因とも考えられる。

つまり、「5日間の経口投与」では十分ではないということだ。そして、もう一つ可能性として考えられるのは、新たに出現した変異株やその亜系統に対して、この抗ウイルス薬がそれほど有効ではないということだ。

ホーテズ博士はツイッターで、パキロビッドについては研究が継続されていること、そして現時点では、実際の有効性がどの程度か明らかではないことにも言及している。

パンデミックが発生して以来、いくつかのものが、それこそが「パンデミックに対応するための唯一の方法」のように取り上げられてきた。だが、そのような拙速な“成功の宣言”が、混乱や失望を招くことは明らかだ。

ワクチンができても、それだけで感染の拡大が収まるわけではない。何か一つのものだけに頼って、身を守ることはできない。同様に、パキロビッドは感染者の治療に非常に有用なものではあるが、”魔法の”薬でも解決策でもない。

パキロビッド服用後のリバウンドの報告が増えているのであれば、隔離期間に関する当局のガイダンスについても、再考するべきだろう(現在は5日間)。もちろん、企業は従業員たちにできるだけ早く職場に戻ってきてほしいはずだ。だが、リバウンドの原因になっているものを、他の人にうつしたいと思う人はいないだろう。

編集=木内涼子

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