Which?は、「Gold Lion Labs」という架空のPCR検査会社をオンラインで立ち上げた後、偽レビューの仲介業者である「Xealme」に接触したという。同社は、フェイスブックやグーグル、トラストパイロットへの偽レビューの投稿を仲介している。Xealmeは、これまでに570の顧客のために約1万6000件の偽レビューを投稿させ、世界のほぼ全ての国でサービスを提供していると主張している。
Gold Lion Labsは、フェイスブックの偽プロフィール19件から5つ星評価を獲得した。Which’sがフェイスブックに連絡したところ、同社はすぐに18件のプロフィールを削除したが、残りの削除には約1カ月を要した。
トラストパイロットではもうすこし時間を要したが、3週間後には19件の偽レビューを集め、TrustScoreは4.6に達した。グーグルでは、1週間後に19件のレビューが集まった。
「ここ数年、偽レビュー業界は消費者に誤解を与えるレビューによって繁盛してきた。フェイスブックとグーグル、トラストパイロットは、これらの業者を追放する活動を十分に行っていない。特にフェイスブックは対応が遅く、本物のレビューを読みたい消費者を軽視している」と、Which?で政策・提言担当ディレクターを務めるRocio Conchaは指摘する。
トラストパイロットによると、同社は昨年投稿された4670万件のレビューのうち、270万件を超える偽レビューや誤解を招く恐れのあるレビューを特定し、削除したという。トラストパイロットの広報担当者は、次のように述べている。
「我々は、過去18カ月で偽レビューの複雑なパターンを理解し、レビューの売り手と買い手を追跡できる新技術を導入した。これにより、我々は偽レビューを購入している企業に対して法的手段をとったり、他のソーシャルメディア・プラットフォームと協力して偽レビューの売り手を排除することが可能になった。また、消費者がTrustpilot上で本人確認をするオプションの提供も開始した」
同社は、Xealmeに対して排除措置の書簡を送り、現在は偽レビューが投稿されている全てのページを削除したという。一方、フェイスブックは、Which?が伝えた偽アカウントについて調査を行っている最中だという。
英国では偽レビューを禁止する新法も
「我々は、この問題の対処に多くの時間とリソースを費やしており、今後も継続する予定だ。我々は、偽レビューの提供・取引などの詐欺や不正行為を許さない。安全・セキュリティチームがこれらの行為の防止に取り組んでいる」と同社の広報担当者は述べている。
英国政府は4月、「Digital Markets, Competition and Consumer Bill」という、偽レビューの販売や広告を禁止し、プラットフォーム事業者にレビューが本物であることを確認することを義務付ける新法案の計画を発表した。
競争・市場庁は、プラットフォーム事業者に最大で年間売上高の10%の罰金を科す権限を持ち、長期間の裁判を経ることなく、消費者への補償を求めることが可能になる。Which?は、この法案が遅滞なく成立することを求めている。筆者はグーグルにもコメントを求めており、回答が得られ次第情報をアップデートする予定だ。