なぜ「料理の鉄人」は海外で成功し、Netflixで全世界独占配信という新たなステージへと進むことができたのでしょうか。そこには「グローバルヒット」の鍵が隠されています。
世界の3大ヒットフードショー番組
俳優の鹿賀丈史が美食アカデミーの主宰という役割を担い、国内外から超一流シェフをキッチンスタジアムに招いて、和食、フレンチ、中華、イタリアンの鉄人と料理の腕を競い合わせる番組が「料理の鉄人」です。
道場六三郎、陳建一、坂井宏行など鉄人シェフたちの名前も番組を通して世の中に知れ渡り、人気を博した番組は1993年から1999年までフジテレビ系列でレギュラー放送が続きました。
「アイアン・シェフ: レジェンドへの道」(c)Netflix
しかも、1990年代の終わりには、「料理の鉄人」は既に海を渡っていました。食を専門にしたアメリカのケーブルテレビ局「フードネットワーク」で英語吹替え版が放送され、エンタータイメントの本場であるアメリカで海外初進出を果たしています。
さらに人気を得た証拠として、2004年にはアメリカで現地版までつくられます。そこから「アイアン・シェフ」というタイトルでフジテレビの「料理の鉄人」のグローバル・ビジネス・サクセスストーリーが始まっていくのです。
アメリカ版は2004年から2018年まで14年間続きました。その間、人気番組に付き物の料理対決を基本としたライバル番組まで生まれ、「アイアン・シェフ」を含む「トップ・シェフ」「マスター・シェフ」という3つの番組が、世界市場で3大ヒットフードショーとしてその名を広めていきます。
そのブランド力は商品化でも発揮され、アメリカでは「アイアン・シェフ」ブランドの調味料や台所用品が販売実績を重ね、現在でもアメリカのスーパーでは「アイアン・シェフ」のオリジナルソースが棚に並んでいます。