6. プロジェクトのリスクは何か?
どんなプロジェクトにもリスクはつきものだ。しかし、計画を文書化し、その通りに進むと思い込んで実行に移してしまうことがよくある。キックオフミーティングでは、潜在的なリスクのブレーンストーミングを行い、それぞれの潜在的なリスク事象について予想される確率とその影響を評価する。そして、最も深刻度の高い項目に対処するための緩和策とバックアップ計画を策定する時間をとろう。
潜在的なリスクを文書化し、定量化することは、単にチームの準備を整えるだけでなく、今後起こりうる事態に備えることにもつながる。また、チームの絆を深め、重要な人間関係の構築に役立つのだ。
7. プロジェクトの重要な成果物は?
成果物とは、プロジェクト期間中やプロジェクト終了時に生まれることが多い、目に見える仕事の成果のことだ。チームのエネルギーの多くは、高品質の成果物を作ることに費やされる。キックオフミーティングでは、成果物がどのようなものか、誰が作るのか、どのプラットフォームやアプリケーションを使うのかなどを検討し、定義する時間を取ることが重要だ。多くの場合、チームメンバーは、一連の仮定に基づいて成果物(要件定義書、製品設計、コミュニケーションプラン、ビジネスケースなど)に着手し、後になってから、その仮定が妥当でなかったことに気づくことになるのだ。キックオフミーティングでプロジェクトの成果物について積極的に議論することで、このようなコストのかかるミスを避けることができる。
8. プロジェクトの成功基準は何か?
スティーブン・R・コヴィー博士は、「終わりを考えて始めよ」とアドバイスしている。その意味で、キックオフミーティングでは、成功とはどのようなものかを積極的に議論することが重要だ。私はチームリトリート(職場外での集まり)のファシリテーターとして、クライアントから彼らのチームリトリートのサービスについての問い合わせがあったとき、よく「このリトリートを成功だとみなす条件は……」という文の最後の部分を聞くようにしている。彼らはすぐに答えられないこともあるが、数分かけて考え抜くことで、本当の優先順位を明確に定義し、伝えることができるのだ。
このフィードバックによって、私は彼らにとって最も重要な要素に焦点を当てることができるようになる。残念ながら、成功とは何かを意識的に定義していないと、最終的には的外れになってしまう可能性が高くなる。