松本 大
マネックスグループ 代表執行役社長CEO
アーティストとビジネスが出合う場所
マネックスを通じ、現代アートの分野で活動する新進気鋭のアーティストを支援する公募プログラム「ART IN THEOFFICE」を2008年から毎年開催。「アートは同質化しやすい企業に多様性をもたらす」として、社員とアーティストとの交流から、社内のゆるやかな意識向上も意図しているという。
そのほか、災害時の義援金支援や大学寄付講座、LGBT支援のチャリティオークションといった取り組みも多数。個人としては、人権擁護活動で知られる国際NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の東京支部の立ち上げを支援し、同NGO国際理事会の理事も務める。
永守重信
永守財団 理事長
「ハーバードもケンブリッジも超える」大学改革
日本電産創業者の永守氏は2014年、私財を投じて「永守財団」を設立。研究者の支援や大学への寄付を行うほか、17年に京都学園(現・京都先端科学大学)に100億円以上の私財を寄付して工学部・大学院工学科を新設、理事長に就任した。
「日本が国際的な競争に勝つための、世界水準の実戦力を備えた人材育成」を掲げ、簿記、バランスシート、英語、生産技術がわかる「即戦力の実務家」を輩出すべく大学づくりを進める。21年には合併により同大に付属中学校高等学校を新設。中高大一貫教育を始動したほか、MBAや医学部の新設ももくろむ。
松本恭攝
ラクスル 代表取締役社長CEO
寄付は投資!課題解決の手段だ
個人として毎年多額をNPO等の団体に寄付。寄付先は「フローレンス」の病児ケアシッター事業や、生活の厳しい家庭に食品を届けて見守る「こども宅食」、徳島県神山町を拠点に起業家たちがつくる新しい学校「神山まるごと高専」、若手の研究者を海外のシンクタンクに派遣するプログラム「API松本佐俣フェロー」など多岐にわたるが、「社会を変える可能性がある人に機会を提供するのは、社会課題を解決する一つの方法」と言い切る。
曰く「アメリカではフィランソロピーを始めて初めて尊敬される(中略)日本でも寄付を社会のプロトコルに埋め込んで行きたい」。
一青 窈
歌手、アーティスト
さまざまな角度からの社会貢献を長年継続
社会問題や環境問題に深い関心をもち、児童養護施設などでのチャリティライブ、難病について社会での認知を高めるための楽曲提供、ミャンマーの孤児院やケニアのスラムにある学校への寄付、フローレンスやキープ・ママ・スマイリング、子ども食堂といった親子支援NPOへの寄付や物資支援などにも長年、地道に取り組んでいる。
また環境問題をテーマにしたフェスや、気候変動の解決を訴える学生主催のイベントなど、さまざまな活動に積極的に参加。今年はデビュー20周年の節目の年であり、さらに社会貢献活動を本格化させるべく準備を進めている。
藤田恭嗣
メディアドゥ 代表取締役社長 CEO
人口約1000人の限界集落を世界に
電子出版取次の最大手「メディアドゥ」創業者。2013年より地元である徳島県木頭村(現・那賀町)の再興をめざし、特産品「木頭ゆず」の栽培・加工品販売会社の設立、キャンプ場の再生事業などを展開。
17年に設立した「KITODESIGN HOLDINGS」が手がけたコンビニエンスストア「未来コンビニ」は、世界的に権威のある建築賞を相次いで受賞。20年にはメディアドゥとして徳島県内4社と共同で起業家支援組織「徳島イノベーションベース」を設立、代表理事に就任。地元からビジネスを生み出すことで、包括的な地域振興を目指す。
村松 竜
GMO VenturePartners パートナー
100年構想で超長期事業をサポート
「GMO VenturePartners」パートナー、「GMOペイメントゲートウェイ」副社長という投資・経営の立場のかたわら、個人として多様なフィランソロピー活動を行う。
個人活動のコンセプトを100年構想と総称。満期のある投資組合や事業会社の通常の経営サイクル、また政府系の30年の政策融資でも間尺が合わない超長期の非営利活動やプロジェクトに対して、寄付、助成金、プロボノなどの複数の手段を組み合わせて支援する。植林・育林専門ベンチャーの「GREEN FORESTERS」をはじめ、今後、教育、気候変動、貧困問題などのプロジェクトを応援していくという。