2シリーズの中でも、その頂点に立つ「M2コンペティション」という名車は限りなく高く評価されている。410psを発揮する3リッターのツインターボエンジンは基本的にM240iと同様だし、M2の0-100km/hの3.8秒は、M240iと全く同じ。従ってM2の873万円という価格は、M240iより115万円高いわけだ。これでM240iは明らかに、コストパフォーマンスが高いことがわかる。
この新型2シリーズは、クーペの名とおり2ドアの4人乗りで、後輪駆動ベースの電子制御4WDになっている。一見すると、外観はほとんど変わっていないように見えるけど、実はボディサイズは全体的に大きくなっており、真横からみるとノーズ部分は、より長くなってスタイルが格好良くなっている。
フロント周りでは、この紫色のボディカラーに合わせて、黒塗りでブラックアウトされたキドニーグリルと両脇の大型エアインテークが、このM240i の「ちょい悪」のイメージを強調している。そういえば、BMWのお決まりのキドニーグリルは、縦に伸びていない控えめのサイズで納得できる。ナイス。リアには、後端をはね上げたトランク・スポイラーがついており、バンパー下にはディフューザーらしきものと2本のエキゾーストパイプが存在感をアピール。19インチのアルミホイールとシュラン製タイヤも良い味を出している。
運転席のドアを開けて室内を眺めると、その高級感と「M」のバッジの多さに圧倒される。ドア下のフロアプレートには「M」が入っているし、フロアマットやステアリングホイールにも出ている。よく見ると、シートには、「M」を代表する3色のタグがついているし、キーにも「M」のカラリングが施している。それ以外は、今回新しくなっているのは本革の厚いスポーツシートぐらい。
あとは、従来の2シリーズで見慣れたインパネのデザインが歓迎してくれる。ここははっきり言って居心地の良いキャビンだ。インパネもシック。「3シリーズ」と同じ12.3インチのタッチスクリーンのグラフィックスは綺麗で使いやすい。ヘッドルームとレグルームはたっぷりあるけど、後部席のスペースは限られており、160cm以上の人には窮屈で天井に頭がつく。リアシートに子供以外乗せるのは無理かな。