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2022.07.11 08:00

VR上の仮想コーチはメンタルセラピーにも有効 オックスフォード大発表

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「私たちはgameChangeが、最も困難なメンタルヘルスの問題を抱える人々にすばらしい結果をもたらしたことをうれしく思っています」と研究者は続けた。「ほとんど家に閉じこもっていた人たちが、外に出るようになったのです。今日の手頃で使いやすい消費者向けVR機器を使いながら、gameChangeは本当に効果のある治療法を大規模に展開し、証拠に基づく心理療法のデジタル提供における変革を導くだろうと考えています」

精神衛生の専門家不足とそれが患者のサービス利用可能性に与える影響を考えると、彼らの仕事が特に効果的であることを証明できることを研究チームは期待している。この問題は、最も困難なメンタルヘルスの状況にある人々にとって特に深刻であるため、さまざまなかたちの介入を試そうとする利用者の熱意は理解できるものだ。

例えば、数年前にブリガムヤング大学が行った研究では、メンタルヘルス関連のアプリがユーザーの間でいかに人気があるかが示された。その結果、90%のユーザーが「やる気が出た」「自信がついた」「精神的・感情的な健康の状態を全般的に感じられた」と研究は報告している。

「私たちの研究は、精神的・感情的な健康に焦点を当てたアプリは、行動を積極的に変える能力があることを示しています」と著者たちは語る。「これは精神的・感情的な健康の病気や課題に立ち向かうために、安価で簡単にアクセスできるリソースを探している人々にとってすばらしいニュースです」

PTSDに対して特に有用なバーチャルセラピスト


近年、膨大な数のメンタルヘルスアプリが登場しているが、おそらく最も興味深い分野はバーチャルセラピストの開発だ。南カリフォルニア大学の研究によると、バーチャルセラピストは、PTSDなどの分野で特に有用であることがわかった。

研究によると、兵士は人間と話すときやアンケートに答えるときよりもバーチャルアバターと話すときの方が心を開く可能性が高いことがわかった。著者らは、アバターが匿名性の利点をもたらすと同時に、ある程度の社会的なつながりをもたらすと考えている。

メンタルヘルスサービスに対する需要が急増する一方で、人材不足が続く可能性が高いことを考えると、代替的なサービス提供方法の利用を検討することは重要だ。オックスフォード大学の研究では、バーチャルセラピーは人気があり、効果的であることが示唆されており、今後数年間でより多く目にすることになるかもしれない。

翻訳=上西 雄太

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