また、優れたコミュニケーションとは、「感情的知性」を駆使して(自分と他人の)感情を認識・理解し、それを自身の意思決定に役立てることでもある。
しかし、感情的知性が非常に高いリーダーであっても、特にプレッシャーのかかる場面でのコミュニケーションに苦戦することがある。
競争の激しい環境では、自分の守備範囲内に入ってくる課題やメール、人物にはすぐに対応したいと思うもので、特に自分が同意や理解ができない事項に関連したものだと、直感的に反応してしまう。だがこれは、早まった言動と後悔につながるかもしれない。
コミュニケーションの達人は、過敏な反応と思慮深い対応との違いを心得ている。思慮深い対応の好例を示してくれる意外な人物として、コメディアンでテレビ司会者のクレイグ・ファーガソンがいる。彼は、言葉を発する前に、以下の3つの問いを自分に投げかけることを勧めている。
1. これは言うべきことか?
口を開いたりメールを送信したりする前に一度立ち止まり、それが本当に重要なコミュニケーションかどうかをよく考えてみること。もしかしたら、自分の意見を言いたいだけだったり、ゴシップやとっさの防御反応、思慮に欠けたコメントだったりするかもしれない。
これを見極めるためには「THINK」の法則を覚えておくとよい。自分が言おうとしていることについて、これは真実(True)か、役に立つ(Helpful)か、インスピレーションを与える(Inspiring)か、必要(Necessary)か、親切(Kind)かを確認する。THINKの多くに該当しないようであれば、言うべきではない。