2021年の売上高はコミック出版の歴史における過去最高額を上回るものだ。投機ブームのピークだった1993年には、インフレ調整後の売上高が16億ドル(約2171億円)を記録した。「高価な商品構成により、2021年は1950年代初頭の巨大な発行部数がもたらしたもの(こちらもインフレ調整済み)を上回る」とコミクロンのジョン・ジャクソン・ミラーは話す。
通常、コミックはいくつかの異なるチャネル(コミック専門店、書店、消費者直販)と異なる形式(単発定期刊行物、トレードブック、デジタルダウンロード)で販売されている。
過去10年間、売上の伸びは若年層を対象としたグラフィックノベルとコミックによってもたらされたが、これらはいずれも専門店ではなく主に書店を通じて販売されていた。その傾向は続いており、2021年にトレードブックチャネルで販売されたコミックは11億ドル(約1493億円)を超え、2019年に全チャネルで販売されたコミックの総額にほぼ匹敵している。
2021年は全体的に成長が見られた。ICv2社長のミルトン・グリープは、「すべての種類の小売業者において売上が増加した」と指摘する。「コミック専門店経由の売上は昨年比60%増、2019年比34%増で、運営を再開したブックフェアを含む書店チャネル経由の売上は81%増と驚異的なペースで伸びた。デジタルの伸びは鈍いものの、新型コロナウイルス感染症によって店舗が閉鎖された2020年は猛烈な伸びを記録した」