ビジネス

2022.07.04 06:30

消化器が弱い弟のために、兄弟でクリーンでヘルシーな制酸薬を開発するWonderbelly


「考えてみると、これは長い間あまり変わっていない産業でした。私は、そのアイデアをすばらしいと思っただけではなく、弟のような人たちを救えることをうれしく感じました。しかもビジネスの観点から見ても理に適っていました。人は、この種の問題について公の場で話したがりません。そして私たちはそれを変えるためにここにいるのです」とノアはいう。

2人は米国で最も売れている制酸薬のメーカーを尋ね、よりクリーンな製品を作るよう頼んだ。答えはノーだった。そして、遺伝子組換え不使用を要求したときには笑われた。それでも彼らは粘り続け、人々の予想を裏切った。「それは無理だと言われていました」とノアはいう。「でも、こうして遺伝子組換え不使用の制酸薬がここにあります」

同じこだわりは、パッケージにもあてはまる。FDA(米食品医薬品局)の規制や数多くのガイドラインに気を配らなくてはならないことから、彼らは単純に環境にやさしいプラスチック代用品を使うことはできなかった。「紙は間違いなく湿度試験を通りませんから」とノアは笑いながらいう。

そこで2人は、リサイクルが容易なアルミ缶を使うことに落ち着いた。「どこを歩いていても、あらゆるものがプラスチックに包まれていることに気づくでしょう。私たちはそれに加担したくありませんでした。プラスチック製容器は処方薬の容器以外にも何千種類もあります」

彼らの容器はプラスチック不使用で、出荷に用いる封筒はリサイクル紙製だ。

この新会社を作るために、クラフト兄弟は何人もの専門家に相談し、著名な消化器専門医から大手ハーブ系サプリメントの元トップまで数多くの専門家を招き入れた。医薬品業界の重鎮ジョアンナ・ハンターは新会社のプロダクトおよび製造担当副社長を務めている。

「自分たちが作る製品を、同等の従来製品と効果が同等以上にしたいという私たちの気持ちは極めて明確でした。そのために、専門家の力が必要でした」とルーカス氏はいう。「市場にある天然由来の代替製品を数多く試しました。しかし、残念ながら同じような効果は得られませんでした。そこでわれわれは、効果的で優れた製品を発売しましたが、今後もっと多くの天然成分を採用する可能性は十分にあります」
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翻訳=高橋信夫

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