販売店はエミレーツ・グループの子会社であるマリタイム&マーカンタイル・インターナショナル(MMI)が100%所有するル・クロ。ル・クロはワインとスピリッツを扱う高級小売店で、専門のバイヤーチームがすべての商品を厳選している。
ウイスキー情報機関レア・ウイスキー101によると、「ザ・マッカラン」の価値は過去1年間で35%も上がった。今回の「ザ・マッカラン・シックス・ピラーズ」の販売価格は、オークションハウス・ボナムズでの2017年の落札価格48万5244ドル(約6600万円)を68%上回った。
この6本セットは最も希少で人気の高いコレクションの1つといわれている。フランスのクリスタルメゾン「ラリック」製の特別デキャンタに入った限定シリーズだ。世界で最も希少なシングルモルトウイスキーをおさめ、それ自体が芸術品として販売されている。
希少価値の高いボトルへの需要が高まっているようで、ウイスキー人気はパンデミックの間も上昇し続けた。特定の商品、特に日本のウイスキーの最終落札価格は予想価格を超えている。2020年3月、オークションハウスのサザビーズで「軽井沢52年子年干支ボトル」が36万3000ポンド(6000万円)という史上最高額で落札され、16万〜22万ポンド(約2600万〜3600万円)という予想を大きく上回った。
空港での販売では、2021年10月にオランダのアムステルダム・スキポール空港でさらに高値で落札された後、同じく人気の日本ブランド「山崎55年」がイスタンブール空港で50万ドル(約6800万円)以上で落札された。
コレクターが最も高級なボトルやコレクションを手に入れるためにどこに飛ぶべきかを知っているため、ル・クロの空港店は記録的な売り上げを達成してきた。マネージングディレクターのマイク・グレンは、「今回の販売は、世界のどこでも最も人気のあるボトルを販売するという我々の使命を継続するものだ」と話す。
国際空港としては世界で最も利用客の多いドバイ国際空港の運営会社は喜ぶに違いない。パンデミック後の航空需要が回復するなかで、今回の販売はこの場所が目の肥えた旅行者向けの高級小売の中心地であることを再確認させるものだ。