ビジネス

2022.06.28

VR内覧のスタイルポートが好調 不動産市場で勝ち抜く差別化のカギとは

スタイルポートCEO 間所暁彦(撮影=藤井さおり)


「当時一緒に仕事をした人がいま幹部になり、契約につながるケースもあります。また私は現在52歳で、共同創業した中條宰(ちゅうじょうおさむ)は56歳と、他のスタートアップに比べ年齢が比較的高い。

不動産業界って形態がさまざまなので、例えば賃貸業界を中心に展開するのであれば、若い年齢で起業して、地場の業者をターゲットに勝負をかけていくこともできるでしょう。ただ、我々のように分譲マンションのディベロッパーなど大企業を攻めいていくのであれば、過去の仕事関係者や年齢が、対等な関係で相手をしてもらうためには必要かもしれません」

間所暁彦

戸建て物件にも進出


順調に顧客を増やすなかで、ROOVの使われ方は多様化している。日鉄興和不動産や東急リバブルは、LEDやプロジェクターを使ってROOVを室内に映し出し、そこに原寸大の家具などインテリアを投影することで実際の生活を体感できるモデルルームをオープン。


提供=スタイルポート

また、複数の物件を一箇所で集約販売する合同ギャラリーでの採用も進んでおり、すでに首都圏9カ所で展開している。

「こうした販売手法が、業界内で流行り始めています」と間所はいう。

一つのマンションに一つのモデルルームを建てる、という従来の慣習が変わろうとしているのだ。

また、新築分譲マンションに加え戸建て物件でのROOV実装も目指し、今年2月から実証実験を開始した。スタイルポートは今後5年以内に年間売り上げ100億円を目標に掲げている。独自のプラットフォームだからこその柔軟性やスピードを武器に他の追随を許さないサービスへ、着実に歩みを進めている。

文=露原直人 写真=藤井さおり

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