リアルな現代版デロリアンはどうやらタイムマシンではないようだが、それでもマーティが体験したあの興奮を、現実に享受できそうな一台。
マーティが乗ったデロリアンは、正式には「デロリアン DMC-12」という。デロリアン・モーター・カンパニーが作ったガルウイングを備えたスポーツカーだ。
デザインは巨匠・ジウジアーロ率いるイタルデザインが担当した。
実はデロリアン・モーター・カンパニーは一度倒産していて、倒産前に同社が手掛けた車はDMC-12、だった一台のみ。
その後1995年に別の経営者によって新たに設立され、DMC-12の整備やレストアなどを行っていた。
その新デロリアン・モーター・カンパニーが突如、電気自動車のデロリアンを作ると発表。それが現代版のデロリアンこと「アルファ5」だ。
当時の2.8LV6エンジンの代わりに、モーターとバッテリーを搭載するBEV(電気自動車)で、航続可能距離は300マイル(約483km)以上だという。
アルファ5のデザインは、ジウジアーロこそ既に去っているものの、初代同様イタルデザインが担当。
直線基調だったボディラインは流麗なクーペフォルムになり、2人乗りから4人乗りになったが、デロリアンの特徴であるガルウイングは現代版であってもアイコニックな装備として踏襲されている。
映画でのデロリアンは時速88マイル(約141km/h)に達した際に一定量の電流を流されるとタイムトラベルができるが、アルファ5は停止状態からわずか4.35秒で88マイルに達する。
最高速度は時速155マイル(約249km/h)。次元転移装置は備わっていないものの、あっという間にドグが設定した速度に達するため、落雷や切れた電線にはつい注意したくなる。
現状はまだ大まかなスペックと画像が公開されたのみで、実車は今年8月のペブルビーチ・コンクール・デレガンス(カリフォルニア州ペブルビーチで毎年開催される自動車ショー)でお披露目されるという。
そういえば映画の舞台もカリフォルニアの架空の街、ヒルバレーだった。お披露目の場所選びも、ロバート・ゼメキスばりにニクい演出ではないか。
もちろん直線基調の、あのデロリアンもカッコいいが、21世紀ver.のアルファ5も美しい。
果たしていくらで販売されるのか? 未来に“戻ってきた”デロリアンPART2の詳細を、心待ちにしよう。
(この記事はOceansから転記しております。)