在中国欧州連合商工会議所(EU商工会議所)の副会頭は、「中国について明らかなことは唯一、先行きが不透明だということ。それは、ビジネス環境にとっては有害なことだ」と述べている。
「この先行き不透明感がいつまで続くのかを見極めようと、より多くの欧州企業が中国への投資を延期し、同国市場における自社のポジションを見直している。そしてその多くが、今後のプロジェクトに関してはその他の地域に目を向けている」
EU商工会議所がコンサルティング会社ローランド・ベルガーと共同で実施した企業の景況感調査によると、中国に進出している欧州企業は昨年、大半が売上高を増やし、利益を上げていた。だが、どの企業にとっても、中国事業の継続はより困難になっている。
ローランド・ベルガーのグローバル・マネージング・ディレクター、デニス・デュプーは、欧州企業の多くにとって中国は、「販売先としても生産拠点としても依然として重要」であり、「縮小するには規模が大きすぎ、重要度が高すぎる」と指摘している。そして、「包括的・安定的な枠組みが必要だ」と主張している。
また、EU商工会議所は先ごろ発表した文書のなかで、次のように述べている。
「世界のその他の地域がパンデミック前の“通常”に戻ろうとするなか、中国の厳格なコロナ政策は、同国で事業を行う企業にとっての問題を増大させている。EU商工会議所の会員企業の多くは、中国というかごに卵をいくつ入れておくべきか、自問している」
「コロナ対策に関する中国の戦略とロシアのウクライナ侵攻によって高まる先行き不透明感に対応し、潜在的な地政学リスクへのエクスポージャーを最小限に抑えるため、欧州企業はますます、中国でのビジネスをその他の事業から隔絶させようとしている」