マネー

2022.06.20 13:00

ビットコイン「1万ドル割れ」も想定、弱気見通しが拡大

DarekHelit / Shutterstock.com

ビットコインの価格は2万ドル以下にまで暴落し、トレーダーたちが恐れていた最悪のシナリオが現実になった──。ビットコインの価格は6月18日、2020年12月以降で初めて2万ドルを割り込み、重要なサポートラインを下回った。イーサリアムなどのその他の主要な暗号通貨も、それと同時に暴落している。

今回の暴落の直前の15日、著名投資家のジェフリー・ガンドラックは、ビットコインの価格がさらに下落して「1万ドルになっても驚かない」と警告していた。

「3万ドルを割り込んだときに私は、ずぐに2万ドルに落ちそうな気がしたし、実際にそうなった。クリプトのトレンドは明らかにポジティブではない。1万ドルになっても全く驚かない」と、ダブルライン・キャピタルのCEOを務めるガンドラックはCNBCの取材に述べていた。

一方、イーサリアムの価格も1000ドルを下回り、BNBやXRP、ソラナ、カルダノもすべて同程度の下落となっている。昨年11月に3兆ドルだった暗号通貨市場全体の時価総額は現在、1兆ドル(約135兆円)以下に落ち込んでいる。

暗号通貨取引所BitMEXの共同創設者のアーサー・ヘイズは14日のツイートで、ビットコインの価格が2万ドルを割ると「大規模な売り圧力」がかかると警告し、トレーダーたちは「コンピュータをシャットダウンした方がいいかもしれない」と述べていた。

このような残忍なまでの市場の急落は、5月に発生したステーブルコインのTerraUSD(UST)とそれを支えるLUNAの崩壊が引き金を引いたとされている。さらに、6月13日には大手のレンディング(貸し付け)サービスのセルシウス(Celsius)が「極端な市場環境」を理由にすべての引き出しを停止すると発表したことで、市場の動揺がさらに高まった。

一方、17日にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、シンガポールの暗号通貨ヘッジファンドThree Arrows Capitalが、市場の暴落で莫大な損失を被ったことを受けて、法律顧問と財務顧問を雇用したと報道。同社のCEOのSu Zhuが「当社は問題の解決に完全にコミットしている」とツイートしたことが、さらに不安を煽っている。

ダブルライン・キャピタルのガンドラックは、「クリプトの世界の一部で爆発が起きており、これはさらなる問題の予兆かもしれない」と述べていた。

編集=上田裕資

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