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2022.06.19 12:00

アメリカの人気ランキングトップ10に、日本車が8台ランクインする秘密


また、例えばトップ10に入るスバル・フォレスターはなかなか手に入らないので、「代わりに、すぐ見つかるスバル・クロストレック(日本名「XV」)にしても良いのではないか」とレコメンドされている。両方とも4WDだし、自動車業界の中で最も衝突実験の成績が高いので、どちらに決めてもグッドチョイスだろう、と。

同誌の調べによれば、「一回決めたら、方向性をなかなか変えない」ポリシーを維持しているのが、スバル、マツダ、トヨタ、ホンダだ。コンシューマー・レポーツの判定では、例えばトヨタとスバルは毎年新車を出したと発表するが、大半の場合は、ただアップデートというかビッグマイナーチェンジに過ぎないとされている。正直なところ、僕もこの30年間モデルチェンジを見てきたけど、同誌は間違っていないと思う。多くの新車はキープ・コンセプトだからね。でも、それらだから売れるのだ。

アコード
HONDA Accord

しかし、同誌の判断による「キープコンセプト」と、日本のカーメーカーが主張する「新車」の定義は、微妙な場合がある。具体的に言えば、同誌のシニア・エディター、ジェイク・フィッシャー氏は、「トヨタとスバルが新しいデザインの車両をデビューさせたと発表しても、果たして本当にニューデザインと呼べるのか」と、疑問視する場合もある。良い例はスバル・フォレスターだと言う。運動靴のような形をした同車は、十年以上インプレッサの構造(プラットフォーム)とサスペンションを共有しているので、スバルが「新型フォレスター」と呼んでも、果たしてどのぐらい新しいかは疑問だと言うのだ。
 
とは言うものの、そういうフォレスターは9年続けて、$25,000ー$35,000枠の車種のトップ10リストにランクインしている。つまり、フォレスターの品質管理や一貫性は抜群だと言うことだし、消費者から見ても、納得のできるクオリティを持っている。また、フィッシャー氏は、「マツダは、どの車種も全ておすすめできる」と高評価する。ただし、どのカテゴリーでも、トップに立つ部門はなく、販売店の質がバラつく場合もあるものの、「トータル的にマツダはカーメーカーとして良いクルマ作りしている」と言う。
 
確かに毎回、新車を出すたびに、「え〜、このクルマは本当に新しいのか?」と聞きたくなる日本車もあるけど、トップ10をほぼ独占し続けていられる理由は、信頼性と一貫性。そして客から見れば、ずーっと変わらないクオリティとコストパーフォーマンスが、購入の鍵となる。来年には、どんどん良くなってくる韓国車が今以上にランクインすると思う。それでも、日本車はトップ10の多くの座を獲得するに違いない。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
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文=ピーター ライオン

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