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2022.06.17

BMW新型7シリーズをいち早く披露 「THE 7 FORWARD」で示された新しいラグジュアリー


御館が話を引き継ぐ。

「もちろん、代々7シリーズを乗り継いでいただいているロイヤルカスタマーが最重要であるのですが、新型7シリーズでは全く違うラグジュアリーの価値を創造しています。社会に対して前向きなインパクトを出していく志を持った方、先程加藤がいったFORWARDISMという新しいラグジュアリーの価値観に共鳴していただきたい方をご招待させていただいています」

ただ豪華絢爛でわかりやすく高価なものがいいもの、という旧来のラグジュアリーから一歩進めたものが、BMWの定義する新しいラグジュアリーだという。例えば先述した「nôl(ノル)」のシェフ野田達也とのコラボレーションも、野田がサスティナビリティの思想を強く持っている点にあった。



「社会にとって価値があり、意義があり、自分だけでなく周りも豊かにしていくもの。さらに社会、環境に貢献していくもの。従来よりももっと大きな大義でのラグジュアリーがそれだと私達は考えています。その姿勢に共感していただけるようにこのイベントだけでなく、今後も戦略を練っていきたいと考えています」(加藤)

「新型7シリーズでも、当然高品質で高価なものを使っていますが、そのもたらすものは例えば電動化の未来であったり、将来のクルマがどういう方向に動いていくべきかという、その最高峰の技術からのメッセージも込められているんです」(御館)

そんなBMWが考えるラグジュアリーのなかで、欠かせないのはアートの要素だと加藤はいう。

「芸術が人々の感性に訴えかけて生活を豊かにしてきたように、BMWはエンジンや走りを通じてお客様に“駆けぬける歓び”を提供してきました。この、アートやカルチャーとクルマが人生に歓びを与えるという共通項は、FORWARDISMのもと新たな時代を切り開いていくなかでも重視していきたいことです」


アンヴェイルにあたっては音楽と光の演出のなか、ダンサーたちによる力強い舞いが披露された。

外国車メーカーが本国で発表したクルマを日本でも発表する際、通例では、世に情報を伝えるメディア向けにまず見せ、それから全国のディーラーで顧客に見せることが常だ。

しかし、今回BMWはまず顧客、そのなかでも感度の高いVIPに限定して新型7シリーズを披露した。彼らをトーンセッターと捉え、BMWが考える新しいラグジュアリーの世界観を感じてもらう。


この会場を訪れたVIPたちも新型7シリーズを興味深げに吟味する。この場で購入を決定したVIPもいるのだそう。

そこにあるのは、顧客とともに時代を創っていこうとするBMWの気概であり、それは同時に、社会がフラットになるなかで特権階級に閉じず開かれたあり方こそが、BMWが考える新しいラグジュアリーであるということを示している。

東京で開催されたこのイベントを初手として、今後全国7つの会場で新型7シリーズを披露していくという。日本での発売に向けてますます注目度が高まる7シリーズを通じて、BMWが考える新しいラグジュアリーがどのように広まっていくのか、その戦略にも注目だ。

Text by Tsuzumi Aoyama / Photogaraphs by Koutaro Washizaki

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