ダウンウェアやレインウェアなど、北極圏の厳しい環境にも耐えうる高機能のアイテムは、デザイン性の高さからタウンユースとしても評価が高く、現在北米を始め、ヨーロッパやアジアなどに直営店が40店舗以上、51カ所のEコマースマーケットを持つ。
そして、サスティナビリティへの真剣な取り組みも広く認知されている。2021年度のESGレポートによると、2021年11月にブランドおよびメーカーとしてレスポンシブルダウンスタンダード(RDS)認証※を取得するという目標を達成。また、2025年までに全てのパッケージをより持続可能なソリューションに移行するという目標を59%達成した。
また、1年間に発生した保証廃棄物(カナダグースの保証プログラムに送られ、製品交換の対象となったもの)総量の41%をリサイクル・再利用したほか、昨年6月に毛皮の使用の廃止を宣言。同年、毛皮の仕入れを終了した。
さらに、2022年内には毛皮製品の製造を終了することも発表している。
なぜカナダグースはサスティナブルなブランドを目指すのか。来日中の会長兼CEOのダニー・リースに聞いた。
北極圏で生まれたブランドとして、サスティナビリティはDNAの一部
「サスティナビリティ、ESGといった言葉が広く普及される前から、カナダグースではこれらを長い間体現してきました。ブランドの哲学、信念に組み込まれているからです」
例えば、野生のホッキョクグマの生息地を守る活動を行っている「Polar Bears International」への活動支援は10年以上に及び、「プロジェクト アティギ」では、イヌイット族の伝統技術を称え、伝統的な技術とデザインにカナダグースの最新素材を組み合わせた特注パーカーの作成を依頼。 また、イヌイット・ヌナンガット地方の4つの地域に対し累計100 万メートル以上の布を寄付し、循環型のビジネスモデルを構築することにも役立っているという。
「アパレル産業は決してサスティナブルとは言えない。地球環境に負荷をかけている産業です。それを考慮してブランドとしては2025年までに温室効果ガスの排出をネットゼロにすることを目標とし、より環境に配慮した生産工程や素材の使い方を重視していきます。企業は、世界をより良い場所にしていく、そのために貢献する責任、義務があると感じています。」