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2022.06.14 17:00

急落したビットコインの「底値」はどこに? 専門家の見方

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ビットコインの価格は直近の市場の暴落により、約1年半ぶりの低水準に落ち込んでいる。TradingViewのデータで、ビットコインの価格は6月13日午後9時(米東部時間)現在で、2万1500ドルを下回っている。これは、昨年のピーク時の約6万9000ドルの3分の1以下の水準だ。
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複数のアナリストは、米国の高いインフレ率が、リスク資産に大きな影響を与えたと述べている。米労働省が6月10日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比8.6%の上昇となり、1981年12月以来の40年5カ月ぶりの大幅な上昇を記録した。

取引プラットフォームWebull FinancialのCEOのアンソニー・デニアーは、「インフレ率の上昇によりさらなる利上げが予想されため、リスク資産には不利な状況になっている。金利が上昇すると、普通預金や債券などの低リスクな投資先の利回りが高くなるため、投資家は暗号通貨やグロース株などの高リスクな投資先から資金を引き上げる」と述べている。

一方、複数の市場オブザーバーたちが、今後の動向を見極めようとしている。StockCharts.comのテクニカルアナリストのJulius de Kempenaerは、「直近の市場の急落により、ビットコインの価格は、重要なサポートラインである3万ドルを継続的に割り込むようになった」と述べている。
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「これにより、ビットコインの価格がさらなる下落に向かう道が開かれた。1万6500ドルから1万9500ドルのエリアに若干のサポートが見られるが、主要なサポートは1万2000ドルから1万3000ドルのレンジだ」とKempenaerは述べている。

一方、暗号通貨のアナリストでポッドキャスト番組The Wolf Of All Streets Podcastを主催するScott Melkerは、「トレーダーたちは以前の弱気相場の底だった2万2000ドルの少し上あたりにサポートラインがあると考えていたが、最近の2つの兆候が、このラインを下回ることを示唆している。次のサポートラインは、2017年の強気相場のトップの2万ドル付近にあると考えられる」と述べている。

しかし、Melkerは長期的な市場の動向については、慎重な見方を示している。

「市場の動向は、これから起こり得る新たなプラットフォームの崩壊や、インフレの進行、FRBによる金利の引き上げなどの要因に大きく左右されるため、次に何が起こるかを予測するのは非常に難しい。今は、ハッチを閉めて嵐に備えておくべきタイミングだ」とMelkerは述べた。

編集=上田裕資

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