Web2.0とWeb3.0には「人間讃歌」という共通した思想が流れていますが、唯一異なるのは、Web2.0の新興企業だったGAFAが、Web3.0では、体制側として位置付けられていることです。そう、社会は同じことを繰り返し、螺旋的に、また、振り子のように進化しながら歴史を積層しているのです。
本書は、ネットの進化スピードを考えると、少し古い未来を書いた本ですが、未来を見通すとき古典を読むのは有効な手段です。読み進めると、テック業界では同じことが繰り返し起こっており、本書の内容が現在進行形なのだと感じられるでしょう。未来を知るためにもぜひ読んでみてください。
title/ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
author/梅田 望夫
data/筑摩書房 880円/256ページ
うえのやま・かつや◎1982年大阪生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了後、2007年にボストンコンサルティンググループ入社。12年にApp Re Search(現PKSHA Technology)を設立。東京大学松尾研究室にて博士号(機械学習)取得。17年には東証マザーズに上場。
うめだ・もちお◎1960年生まれ。慶應義塾大学工学部卒業。東京大学大学院情報科学修士課程修了。コンサルティング会社「ミューズ・アソシエイツ」をシリコンバレーに設立。2006年に著書『ウェブ進化論』でパピルス賞を受賞。2012年には内閣府より「世界で活躍し『日本』を発信する日本人」のひとりに