今回のラウンドには、中国のテック系のファンドのJeneration Capitalや、米国の10T Holdingsらに加え、既存出資元のドイツのメディアコングロマリット「ベルテルスマン」のアジア投資部門のBAI Capitalらが参加した。
設立4年のBabel Financeは昨年9月にシンガポールに新オフィスを開設しており、今回の資金でコンプライアンスチームを強化し、各国の当局からのライセンスの取得を進めるという。同社はすでに、香港やルクセンブルグ、英国でライセンス申請を行い、「多くの地域で事業資格を取得した」と述べている。
Babel Financeの共同創業者でCEOのDel Wangは、「クリプト金融市場には多くのチャンスがあると同時に、リスクも多い。高いマージンが狙えるのは小口取引やアルトコインかもしれないが、当社は長期的な業界の発展に目を向けつつ、機関投資家向けのサービスに注力していく」と述べている。
Babel Financeは昨年5月にセコイアキャピタル・チャイナらの主導で4000万ドルを調達していた。
同社の最新の調達ラウンドは、ステーブルコインのTerraUSD の崩壊が暗号通貨市場全体の急落を引き起こし、3000億ドル以上の価値が失われたタイミングと重なったが、Babel Financeは、TerraUSDとその姉妹コインのLunaへのエクスポージャーは一切ないと述べ、「今回の件は当社のビジネスに影響を与えていない」としている。
2018年に設立されたBabel Financeは、約500の機関投資家向けに暗号通貨の貸し付けや資産管理、トレードの仲介、マイニングサービスなどを提供している。同社のコアビジネスの貸し付け部門の融資残高は、2021年末に30億ドルに達し、デリバティブ取引サービスの月間の取引ボリュームは平均8億ドルを記録したという。