米CNNテレビによると、事件を起こしたニューヨーク州コンクリンのペイトン・ゲンドロンは事件前、ストリーミングやメッセージングサービスを提供するディスコード(Discord)でメッセージを共有していた。
その中でゲンドロンは、事件が起きたスーパー「トップス・フレンドリー・マーケット」のある地区を標的とした理由として、黒人人口の集中を挙げていた。ゲンドロンは10人を銃で殺害し、3人を負傷させた。
米シンクタンクのブルッキングス研究所が集めたデータによると、バッファローは実際、黒人と白人人口の地区別分離を基にした隔離水準が米国でも特に高い大都市圏の一つだ。人口調査地域に基づいた同分析によると、バッファローの隔離水準は100指数ポイント中69ポイントだった。これは、人口が100万人以上で黒人人口が3%以上の米主要都市圏で7番目に高い数値だ。
ブルッキングス研究所によると、米北東部と中西部の一部はいまだに住居隔離の強い影響を受けている。こうした状況は、黒人が南部から北東部へと大規模に移住した20世紀初めから続くものだ。差別禁止法が導入された後の1960・70年代になると、黒人が南部に戻ってきたことでコミュニティーの統合が進み、南部や、さらに西部での隔離指数は大半の場所で60未満まで低下した。
人口の停滞と隔離の継続
黒人人口の成長が停滞した北東部や中西部では、昔からの隔離された生活様式がなかなか消えなかった。地区ごとの人種隔離は、ウィスコンシン州ミルウォーキーやニューヨーク、シカゴで特に深刻だった。
一方、黒人と白人の間の隔離が最も少なかった主要都市圏は米西部で、ハワイ州ホノルルやアリゾナ州ツーソンが指数ポイント40未満を記録した。ノースカロライナ州ローリーは、南部の都市の中で黒人と白人の隔離水準が最も低く、指数ポイントは40だった。これはラスベガスと同点だ。