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2022.05.21

東南アジアの配車「グラブ」が赤字幅を縮小、株価24%急騰

Getty Images

東南アジアの各国がパンデミックの規制を解除したことで、現地の配車サービスの需要は急増している。シンガポールを拠点に配車やデリバリー事業を展開するグラブ・ホールディングス(Grab Holdings)は、5月19日、3月末までの3カ月間の純損失が前年同期の6億6600万ドルから4億3500万ドルに縮小したことを発表した。売上高は6%増の2億2800万ドルに達しており、ここには1月に買収したマレーシアの食品チェーンJaya Grocerからの売上が含まれているという。

ニューヨーク市場に上場するグラブの株価は、24%急騰して3.14ドルをつけた。ただし、同社の株価は12月の上場直後の13.59ドルから70%以上下落しており、投資家は同社の黒字化がいつになるのかを懸念している。

グラブの昨年の売上高は、6億7500万ドルだったが、今年は12億ドルから13億ドルを見込んでいる。フィンテック分野にも注力する同社は、新たに後払いサービスを導入し、決済プラットフォームとしても存在感を高めている。

グラブは、シンガポールの通信事業者のSingtelと共同で、今年後半にデジタル銀行を立ち上げる計画で、先月はマレーシアでも銀行のライセンスを取得した。

「当社は、シンガポールとマレーシアでデジタル銀行を開設し、インドネシアの銀行にも投資することで地域全体の金融サービスへのアクセスを拡大する」と、タンは述べている。

グラブは、2012年にアンソニー・タンとTan Hooi Lingによってタクシー予約アプリとして設立された。同社はその後、配車サービスやフードデリバリー、デジタル金融サービスなどに事業を拡大し、スーパーアプリに成長した。同社は現在、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの400以上の都市でサービスを提供している。

編集=上田裕資

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