日本初の世界チャンピオンは、カンガルーと戦った男? ボクシングの日|5月19日

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5月19日は「ボクシングの日」です。いまから70年前のこの日、後楽園球場(東京ドームの前身)で世界フライ級タイトルマッチが行われ、4万を超える観衆が見守るなか、挑戦者の白井義男がダド・マリ(アメリカ)に勝利して、日本人で初めてボクシングの世界チャンピオンに輝きました。

白井義男は、1923年に東京下町の生まれ。小学生のとき、祭りのイベントでカンガルーとのボクシング対戦をすることになり、それがきっかけでボクシングという競技に熱中することになったという逸話が残されています。

プロとしてのデビューは1943年、20歳のとき。以来、8戦全勝の好成績を残しましたが、第二次世界大戦で海軍に整備士として従軍することに。戦後復帰しましたが、腰痛のため引退の危機に追い込まれます。

そんな彼が世界チャンピオンの座に就いたのは28歳のときでした。当時、まだ戦争の影を引きずっていた日本人にとって、白井の世界戦での勝利は、相手がアメリカ人であったということもあり、大きな勇気を与えたと言われています。以来、日本(のジム)から誕生した世界チャンピオンは96人(女子は27人)を数えます。

直近では「日本ボクシング界史上最大のビッグマッチ」とも言われたWBA世界ミドル級スーパーチャンピオンだった村田諒太とIBFミドル級チャンピオンのゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の王座統一戦が大きな盛り上がりを見せました。

残念ながら村田は敗れてしまい、現在、日本人のボクシング世界チャンピオンは7人(女子は3人)となりましたが、6月7日には22戦22勝の最強王者であるWBAスーパー&IBF世界バンタム級チャンピオンの井上尚弥が、WBC世界同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)と3団体統一戦を行うことが、目下話題を集めています。

連載:今日は何の日?

執筆協力=tannely(タネリー)

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