日本酒を世界のメインストリームに!おいしさ追求の継続に嘘はない

中山亮太郎のビジネス夜明け前


最初から海外市場に狙いを定めたブランドも


日本酒醸造が産業として成り立つようになって何百年もたつが、世界にもそういった類いのものはなかなかない。この「継続の歴史」が、世界でも勝負できる日本酒の絶対的価値につながっている。

世界でのメインストリームに入ったというにはまだまだ遠いかもしれないが、日本酒は和食のみならず、フレンチやイタリアン、中華などにも合わせられる。それに、絶対的な味のよさがあるものというのは、必ず大きなティッピングポイントを迎えるタイミングがあると思っている。

業界には、昨年中国進出を果たした「SAKE HUNDRED」 や、5月に パリに直営レストランをオープンさせる予定の「WAKAZE」など、世界に挑戦することを前提にしたベンチャーも続々と現れている。

趣味嗜好が多様な時代においては、それぞれが、こだわりたい部分においてハイエンドなものを求める。「グローバル+ニッチ+ハイエンド」は、これからのモノづくりにおける重要なテーマとなるだろう。

今後、そうした傾向がますます強くなっていくなかで、ハイエンドを磨き続けた日本酒は、世界的な消費のトレンドとして、グローバルで食の世界のメインストリームになるはずだ。決して自国贔屓の願望だけではなく、その日は必ず来ると信じている。今宵も何を飲もうか。行きつけの焼き鳥屋のオススメ日本酒を楽しみにするとしよう。


なかやま・りょうたろう◎マクアケ代表取締役社長。サイバーエージェントを経て2013年にマクアケを創業し、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」をリリース。19年12月東証マザーズに上場した。

text by Ryotaro Nakayama | illustration by Ryota Okamura

この記事は 「Forbes JAPAN No.094 2022年月6号(2022/4/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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